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足柄 人物風土記

公開日:2022.11.19

開成町の文化団体「寄席な部」の代表を務める
佐藤 恵さん
開成町在住 53歳

浪曲って「まるでジャズ」

 ○…浪曲、ピアノの弾き語りを披露するメンバーや、着物アドバイザーなど、個性豊かな会員7人から成る文化団体「寄席な部(よせなべ)」。さまざまな具材が独特な美味を生み出す「寄せ鍋」に由来している名だという。「私はリーダーというより、皆に支えてもらっています」。上品さの中に芯の強さも感じられる声で謙虚に語る。

 ○…静岡県出身。高校1年のとき、両親の仕事の関係で箱根に移り住み、17年前からは開成町に居を移した。10年ほど前、柳家三三さんの落語会を聞きに行った際、同じ舞台で、初めて生の浪曲を目の当たりにした。「語りだけでなく三味線の音楽とも融合していて面白い芸。自分でもやってみたくなった」。都内に赴き習い始めてみると、奥深さにぐんぐんのめり込んだ。浪曲はうなる側と、三味線弾きの2人の絶妙な「セッション」で織り成され「ジャズみたいってよく言われます」。現在は月に1度、大阪まで通い練習に励んでいる。

 ○…浪曲以外で大好きなのはアニメや漫画。幅広いジャンルを楽しんでいる。町内の企業に勤め、忙しく働く中での大切な息抜きだ。箱根、小田原など地元ゆかりのアニメも好きで「一番ハマった作品は『エヴァンゲリオン』。『ガンダム』も好きです」。

 ○…知人から「さまざまなサークルが所属する開成町文化団体連絡協議会に入れば活動の幅が広がる」と薦められ、昨年「寄席な部」を発足。今年度から同会に加盟した。「今後、寄席な部のメンバーによるライブを開ければ」と熱意を語る。個人では開成町の魅力を語るオリジナルの浪曲を創作し、都内の交流イベントで披露するなど積極的に活動。「町だけでなく浪曲の素晴らしさも伝えていきたい」

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