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足柄 人物風土記

公開日:2023.02.04

(株)松田自動車学校の代表取締役を務める
千村 憲一さん
大井町在住 73歳

人の喜びが自分の喜び

 ○…昨年、創業60周年を迎えた(株)松田自動車学校を、2007年から代表取締役としてけん引。公共性の高い業務であるため「地域の安全・安心を育む一役を担いながら、地域の皆さまに信頼されることを大切にしたい」との思いを胸に、運転技術の教習など日々の業務にあたる職員たちに感謝しながら経営に励んでいる。同社は13年から、足柄地区学童軟式野球大会を後援しているほか、今年2月には、企画から3年を経て初開催される開成町内での少年サッカー大会にも後援。「練習の成果を発揮できる場を提供することも社会奉仕の一つ」と語る。

 ○…大井町に生まれ育った。大学卒業後、ソニー(株)に入社し、ビデオ事業部で放送局向けVTRの設計を担当した。父親の急死で33歳の時、ソニーを退職し、父が大井町などで経営していた飲食店「大道飯店」の経営を引き継いだ。狂牛病問題で風評被害を受け、資金繰りに苦労した経験もあるが、実業家・滝口長太郎が残した「打つ手は無限」との言葉に、何度も励まされたという。「いまでも座右の銘にしています」

 ○…飲食店経営当時、常連客の男性が余命わずかな妻のためにと、好きな料理を買いに来たこともある。「お店をやっていて良かった」と感激し「人に喜んでもらうことが自分の喜びにつながる」との気持ちが育まれた。現在、会社として社会貢献活動を継続するのも、そうした経験があったからだという。

 ○…自動車学校の経営で多忙な日々を過ごす中、家族との日帰り温泉巡りがリフレッシュになっている。「山梨県の奈良田温泉などが効能が良くお薦めです」。英気を養い、これからも多くの人たちの笑顔のために、地域への貢献活動に尽力するつもりだ。

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