足柄 人物風土記
公開日：2023.11.04
休耕田を活用し地域活性化を行っている「内山里地里山の会」会長を務める
高橋 昭夫さん
南足柄市内山在住 77歳
愛する故郷を後世に
○…「電線など視界を遮るものが少なく、景観が良いところが内山の魅力。自然の美しさを多くの人に知ってほしい」。活性化を目的に２０１５年に発足した「内山里地里山の会」。約40人の会員とともに休耕田を活用したソバやトウモロコシ、カボチャ等の栽培に取り組んできた。「この地域の魅力を将来に残していくために、次のアイデアを考えなくちゃ」とにこやか。
○…11月11日・12日には「ザルギクまつり」が開かれる。地元の野菜等の直売もあり、毎年多くの人手でにぎわう。「昨年は開花の時期が遅れ、満開ではなかったけど、今年は日程をずらしたのできっときれいに咲くザルギクを楽しめるはず」と期待を膨らませる。
○…小学生の頃は日が暮れるまで山に入り自然と戯れる少年だった。西湘高校に進学後は地理部に入部。登山が趣味だったこともあり、放課後には地元の山の模型作りに熱中した。「文化祭で褒めてもらったんだよね」と当時を懐かしんで目を細める。卒業後は神奈川県庁に就職し土木や広報など５部局を渡り歩いた。社会人になって最初の４年間は夜間大学に通い法律を専攻。特に民法の知識は様々な部局で役立ったという。「大変だったけど充実した時間だった」と振り返る。
○…63歳で退職後、知り合いの推薦で自治会役員になったことで地域に目を向けるように。地区の良さを残すには、若い世代とともに活動していくことだと考える。しかし、２０１０年に北足柄中学校、昨年には北足柄小学校も廃校になるなど、子育て世代が減っている。生まれ育った故郷が先細りする未来を変えたいという思いが地域活動への原動力。「小さい地域で互いを知り尽くしているから楽しいんだ」とほほ笑んだ。
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