足柄 トップニュース社会
公開日:2023.11.04
丹沢山地のクマ対策は
全国各地で被害相次ぐ
東北地方を中心に人がクマに襲われる事件が相次いでいる。丹沢山地はツキノワグマの生息地であり、山中だけでなく、人里近くでもクマと遭遇する可能性があることから注意が必要。各自治体が実施している対策などを聞いた。
環境省が出した暫定値で9月末までに全国で109人がクマの被害に遭っており、昨年1年間の75人をすでに上回っている。神奈川県内では10月末時点で人的被害は発生していないが、目撃23件、痕跡18件。足柄上郡と南足柄市では目撃8件(山北町7件、南足柄市1件)、痕跡1件(松田町)となっている。冬眠前の11月頃までクマの出没が想定され今後も増加していく可能性がある。
松田町では今年8月に寄地区の人里で1件クマの痕跡が確認された。これを受け、町は地元農家と協力して農地にクマよけロープを設置するなど対策を講じている。
クマの痕跡が確認された場合はその地区への回覧板で周知。目撃情報が寄せられた場合は直ちに防災無線や防犯情報などを届ける「松田町あんしんメール」で情報を発信している。
山北町では、一昨年10月に丸山周辺に出没したクマ対策を機に毎年調査を実施。専門家の意見を取り入れつつ、過去の出没エリアや山中から人里への侵入ルートだと思われるエリアをセンサーカメラと現地調査で確認している。今年は10月20日時点でクマの痕跡は確認されていないという。
神奈川県はホームページで対策等をまとめているほか毎週目撃情報を更新している。県環境農政局の担当者は「クマが近づかないように鈴を身につけるなど準備を。広い範囲を移動するので、山に入る際には目撃情報があった場所やその付近にはできるだけ近づかず、注意していただければ」と話した。
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