山北町文化財ガイド友の会の会長として歴史、文化財等の普及に努める 河合 剛英(よしてる)さん 山北町岸在住 79歳
誇れる文化財を後世に
○…県指定史跡「河村城跡」や国指定重要無形民俗文化財「山北のお峰入り」などを訪れる団体の観光客から町に依頼があった場合、ボランティアでガイドを行う「山北町文化財ガイド友の会」。現在の会員は10人。「山北には誇れる歴史や文化財が多くあります。会員は研究熱心で、今でも年に1回は研修会を通して勉強しているのですよ」と優しく説明する笑顔が印象的。
○…町が主催する文化財講座修了者が中心となって、2007年に会を発足した。当初から会に携わり、22年から会長に。コロナ前は年10回近くあった依頼は年3〜4回に減少した。3年前からは秋に河村城を謎解き形式で登るイベントを町と協働で実施する。「依頼を待つだけでなく、自分たちで発信できる企画をもっと行っていきたい」と意欲をみせる。
○…三重県松阪市生まれ。中央大学在学中は国史学を専攻した。特に平安貴族の間で流行し、後世に伝えるため経文などを経筒に入れ、地中に埋める「埋経(まいきょう)」の世界に魅せられていった。趣味は読書で、歴史小説がお気に入り。長い教員生活の中、定年まで延べ32年間という大半を町立大磯小学校で過ごした。同じ教員だった妻を2年前に病気で亡くした。一人は寂しいと本音を見せるが、「地元の仲間がいてくれているので何とかなっています」
○…県外に住む娘2人も教職に就く。「親の苦労している姿を見ていたので、同じ道を歩むとは思っていなかった」と苦笑い。定年後は自治会長、町社会教育委員、町文化財保護員など地域活動にも積極的に関わる。「職場と自宅の往復で娘は妻と地域に育ててもらいました。恩返しの意味でも、地域にできることは協力していきたい」と力強く話した。
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