足柄 教育
公開日:2025.10.11
県内小中体育館の空調設置率
全国平均を下回る
本紙調査 今年度末に2割超へ
近年の猛暑日の増加による児童、生徒の活動環境の悪化、災害時の避難場所の機能強化の観点から急務となっている公立小中学校の体育館等の空調設置。本紙は設置状況について県内の各自治体にアンケート調査を実施した。これによれば、今年度末を基準とした設置率は21・9%の見込みで、全国平均を下回ることが分かった。
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文科省では学校体育館の空調設置に対し、国の支援制度を周知するなど導入を推進している。
アンケートは9月に神奈川県を含む県内34の自治体に送付。文科省の資料を示した上で、「今年度、来年度以降の空調設備の設置予定」などについて聞いた。
県内小中学校の普通教室の設置率が99・9%に対し、文科省が今年6月に発表した「公立学校の体育館等(小学校は体育館、中学校は体育館・武道場)における空調(冷房)設備の設置状況調査」(2025年5月1日現在)では、神奈川県の体育館等の設置率は14・6%で、全国平均の22・7%を下回っている。自治体別では設置率100%は綾瀬市、寒川町、大磯町、大井町。0%も17自治体あり、全体では約8割の自治体が設置率で50%を下回っていた。
アンケートによると、今年度中に空調設備の設置を行う(もしくは行った)と回答したのは12自治体で、来年度以降に設置を予定していると答えたのは16自治体。「今のところ設置の予定はない」と答えた自治体でも、おおむね設置に向けて「検討している」と回答した。このほか「気化式冷風機を導入して空調対策を行っている」と回答した自治体もあった。
今年度末までに設置率が100%となるのは神奈川県、茅ヶ崎市、海老名市の見込み。
足柄上地域は―
足柄上地域の1市5町では昨年度までに設置率100%は大井町のみ。南足柄市、中井町、開成町は0%だった。今年度は開成町立文命中学校ですでに空調機が設置され、松田町立松田小学校も今年度中に設置される。さらに、来年度以降は足柄上地域の17校で設置が予定されている。
今回のアンケートからは、自治体によって設置状況に大きな差が見られた。学校のため工事期間中の対応や、予算等、さまざまな要因が考えられるが、災害の激甚化や頻発化が著しい中、各自治体には対応が望まれるだろう。
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