秦野版 掲載号:2012年3月31日号
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はだのっ子 いま・みらい 教育寄稿第42回 学力は学校だけでは不十分か 2 内藤 美彦

 前回に引き続いて、喜びのある学習の展開を考えてみたいと思います。

 まず、人に喜びを与える「認める」行為を学習の中にどう取り入れていくかです。それは、教師が褒めることを適切に行うことにあります。学習の中で褒める事柄や場面などに素早く気づき、褒めるのが教師の大きな役目です。また、褒めるべき状況を意図的に構成していく配慮、工夫もしていく必要があります。

 次に、学習時に子供の発言や考えを頭ごなしに否定しないことです。間違えていても、うなずきながら聞かねばなりません。答えを導いた過程を考え、自らが誤りに気づくことが大切です。「認める」ことは、相手を肯定的に受け入れることでもあります。相手を認めれば、相手も信頼してくれるのが人の常で、意欲への強い力となるのです。

 人に喜びを与える「思いを成就する」は、学習にあっては「できた」「わかった」ということでしょう。教師は、子供にこうした体験を重ねるように工夫をします。易しい問題を与え、できたという満足感を持たせ、さらに難しい問題に挑戦しようと意欲を盛り上げるのもひとつの方法です。

 教師は、授業中に全員が目標を達成するように学習を計画します。でも、つまずく子もいるわけです。それに気づき、原因を解明する手立てもしなければなりません。つまずきを放っておくことが、学習意欲の減退につながるのです。

 また、跳び箱、鉄棒や楽器演奏などを指導と練習でできるようにしていきます。それを通して、できた喜びを体得し、繰り返し練習の重要さややればできるという自己肯定力も育つのです。

 そのほか「驚き・発見」のある学習を展開して興味をそそります。学校は学力を保障する責任があり、こうした教師の研究と熱意に加え、子供の努力によって学年相応の学力はつくはずです。学校は、学力だけでなく、思いやり、友情など人間関係を通して育てることもしなければなりません。

 現在、単純な学力信仰がはびこっています。高い学力があるだけで、幸せな生活が約束されるでしょうか。有名進学校への入学が、将来を保証するでしょうか。豊かな人間性を持ち、温もりある心で社会に役立つ人間を期待したいものです。
 

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