秦野 コラム
公開日:2025.10.24
寄稿
秦野の歴史・文化の学びと継承を想う
NPO法人秦野歴史おこしの会理事長 小泉 孝
秦野市が誕生して70年、そして昭和100年となる巡り合わせの年に、ひとしお感慨深いものを感じます。確か10歳の頃、小旗を手にしながら、まだ田園風景の色濃く残る中をお祝いの行進をしたことを覚えています。私が生まれたのは戦争の終わる直前でしたので、80年を生きたという一つの歴史の区切りを思う時、なぜか自らに愛おしいものを感じます。
今年は市制70周年を記念して様々な行事が行われております。11月1日(土)には「第30回報徳サミット秦野市大会」が開催されます。報徳の教えにつながる全国17市町村から参加をお迎えして執り行われます。
自分の通った小学校の校庭で二宮金次郎の像を目にされた方は多いかもしれません。二宮尊徳は自らの哲学とした「至誠」「勤労」「分度」「推譲」の教えを「報徳仕法」として取り入れ、江戸時代末期に荒廃した農村を次々と復興再建していきました。現代においても、多くの社会的課題を解決する手掛かりに活用できるものと思われます。
尊徳と合わせて忘れてはならないのは、「報徳仕法」を広めた功労者として神奈川の偉人100人の中にも選ばれている安居院庄七、並びに草山貞胤の2人の偉人の存在があります。庄七は54歳の時に当時、日光に滞在していた尊徳のもとを訪ねて報徳思想を学び、その後、実弟の浅田勇次郎とともに遠江の国(現在の静岡県浜松市)にて、報徳思想の普及と「報徳仕法」を用いた同村の復興に取り組んだ。そして、隣国を含めた数々の農村復興に寄与されました。75歳で生涯を終え、現在も浜松の地に安らかな眠りにつかれています。地元出身の庄七については、今後多くの人に学んでいただきたい人物であると考えます。
草山貞胤については、秦野たばこの祖として歴史に特筆されるべき人物と思います。尊徳の死後、同氏を祀る報徳二宮神社の創建に福住正兄と携わる。初代社掌に就任すると同時に、東奔西走の活躍をされ、報徳の思想を広める役割を果たされました。
11月8日(土)は「名水サミット inはだの」が開催されます。秦野は「全国名水100選」に選ばれている所です。都心にも近い距離にある丹沢山が育む名水の里秦野を、大いに宣伝できたら良いと思います。当日は名水と言われる訳を、専門家や市民が集い共に学ぶ意義ある機会となることを期待します。
また例年、市主催として市指定文化財の一般公開が、10月30日から11月3日まで開催されます。歴史と文化のまち秦野を再認識していただく絶好の機会として、ぜひ市民の皆さんには見学に訪れていただきたいと思います。中でも、蓑毛大日堂は県下でも注目されている寺院であります。現在、二王像は修復のため不在となっておりますが、他の諸仏、諸堂は拝見できます。聖武天皇の勅願によって建立された寺院を、1300年の歴史に思いを馳せながらぜひ訪ねてみてください。
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