秦野 社会
公開日:2019.01.11
「前を向いて行こう」亥に願い込め
彫刻家・西巻さんが出雲大社に奉納
悪性リンパ腫を患い、心筋梗塞による心肺停止から奇跡的に生還した彫刻家・西巻一彦さん(59)=伊勢原市在住=が今年も干支の石像を製作し出雲大社相模分祠(秦野市平沢)に奉納した。「元気に生きる目標にしてほしい」と2014年から草山清和分祠長(62)が依頼している。今回で6体目。
製作前、検査結果が芳しくなく「自身を奮い立たせたくて、今までより大きな彫刻に挑戦した」という西巻さん。重さは400kg弱。真鶴半島の山から切り出した名石”本小松石”をのみで叩き、砥石で磨き上げ、2カ月かけて完成させた。朗らかな表情で走る姿には「前を向いて進んで行こう」というメッセージが込められている。
干支の石像は毎年、参道の鳥居のそばに置かれる。1年間、多くの参拝者になでられて光沢が出た戌の石像の頭に触れ「これが彫刻の魅力なんです」と西巻さん。父親と参拝に来た幼児が笑顔で亥にまたがる姿を見ながら「子どもたちにも愛着を持ってもらえるもの、触りたくなるものをこれからも作っていきたい」と力強く語った。
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