特別寄稿 秦野ぶらり会30周年に寄せて 会長 石川邦夫
1991年に発足した歴史散策サークル「秦野ぶらり会」。秦野市内の名所や旧跡を毎月歩き、地元の歴史を学びながら会員交流を行っている。会員数は70人。会長の石川邦夫さんは、”秦野のインディ・ジョーンズ”の異名を持つ。地元愛と知的好奇心と探究心のおもむくまま、市内のみならず各地を縦横無尽に駆け巡り、現在のような発展を遂げた秦野へと導いた過去からの贈り物を探している。6月25日からは本町公民館で記念展も開催する秦野ぶらり会。記念展の見どころをはじめ、秦野への想いを石川さんに語ってもらった。
はじめに-。6月25日(金)から29日(火)までの5日間、秦野ぶらり会の30周年を記念した展示会を開催することになった。「秦野好き。歴史好き」が高じて、興味と本能の赴くままに活動してきた30年。秦野の今をつくった過去への尽きない想いと、ここに至るまでの私の想いをお伝えできればとペンをとった。
秦野の古代史の超ファンに
春分のダイヤモンド富士山、中国5000年の歴史で春分は新年、新春であり年の始まりである、人生では誕生を意味している。北には相模国の霊山、大山で万葉歌には相模嶺として紹介されている、この大山と秦野盆地は南北線で結ばれているのである。南北線は子午線ともいわれ、中国の古代から陰と陽の神聖ラインである。春分の太陽線と子午線の交差点は超神聖な土地、国の中心なのである。
大山の春分線は海老名の国分寺で、夏至の線は寒川神社となる。大山に寺院を建立したのは良弁(ろうべん)だが、良弁は奈良東大寺の初代住職で相模国の人であり、聖武天皇の先生である。
秦野は平安仏の宝庫
9世紀から12世紀は京都(平安京)に都があった。この時代に製作された仏像彫刻は平安仏だが、いささか初期の仏像が地方に残るのは難しく、末期頃がほとんどである。では秦野はというと、蓑毛に大日堂の聖観音像・五智如来像・仁王門の二王像があり、秦野駅南口近くの太岳院には十一面観音菩薩像、南矢名宿の東光寺の聖観音菩薩像、鶴巻の極楽寺には十一面観音菩薩像が県や市の文化財となっている。最近の調査で乳牛(ちゅうし)の天徳寺の薬師如来坐像が平安仏との情報が入っています、秦野市という小さい所で七体もあるのです。鎌倉時代の仏像は東光寺、寿徳寺、田原の金蔵院と三カ所がある。
秦野ぶらり会を創立
『古代相模の方位線』(1984年 野麦書房刊)を師の向井毬夫氏と共著で出版した。この本を読んだ、秦野市内在住の渡辺茂氏から「秦野の名所や遺跡を探索する会を作りたい」の連絡があった、当時の私はサラリーマンで子供はまだ小さかった。通いも二時間掛かるためお断りをした、数回のやり取りで根負けしたのがキッカケとなり、平成3年2月に歴史散策サークル「秦野ぶらり会」設立総会を開催した。以降現在まで例会数は300回を超えた、平成25年、『秦野名所・旧跡いろはカルタ写真集』を発行して、大きな反響をいただいた。
記念展の開催に寄せて
”散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする”これは歌ではないがはやし歌で上手く表現されている、この時代の秦野は…というとピンとこないのである。明治維新が実行されて150年たつのだから仕方がない。ぶらり会が30周年を迎える今年、ここで一度振り返って見てみようと考えた。そして「曽屋水道完成130年・馬車鉄道計画120年 煙草の町 秦野史」展示会を開催する運びとなった。
”煙草の町への発展はどうしてできたのか、誰が引き金を引いたのか”これらをリアルにまとめる事にした。
曽屋水道でも、幾つかの疑問点があった、その中の曽屋用水に関しては体力的・年齢的に最後の機会と捉え、くずはの家の職員たちの協力があったからこその成功例であった。これらの事業の発想を再確認させられたいわゆる、自由民権運動との結びつきが明らかになったことである。
馬車鉄道に関しては自由民権運動の若き高橋喜十郎に焦点を当てたこの様に、人間模様を捉える事にあった。
--このように、記念展会場では、明治35年ごろから45年の秦野町中心部の再現地図をはじめ、煙草・水道・馬車鉄道をキーワードに私が集めた資料や研究結果、当時かかわった人たちの古写真なども展示します。
今回の展示会に当たっては秦野市教育委員会をはじめ、大勢の市民の方々から多くの情報をお寄せいただきました。改めてお礼申し上げます。
そして、この30周年を機に、より多くの地元秦野の情報をお待ちしております。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
|
|
|
|
|
|
<PR>