常若遊人(とこわかゆうじん)〈春〉 〜アースデー(4/22地球環境デー)を前にして エッセイスト・加藤正孝(鶴巻)
私達の身近な葛葉川を囲む葛葉緑地、ドイツ南西部”黒い森(シュヴァルツヴァルト)”は、グリム童話ゆかりの地。川端康成の小説「古都」は京都の北山杉をぬきに語れない▼木や森は古来神の木、神の宿る庭で平安時代、寺院の僧兵等が信仰する神木や神輿(みこし)を担いで朝廷に強訴▼この四月〜六月、式年遷宮(しきねんせんぐう)で信州の諏訪大社が執り行う御(おん)柱(ばしら)
祭▼(今や森林大国)フィンランドの叙事詩「カレワラ」は長老ヴァイネモイネンが山を崩す時は木を一本でも残しておけと録している▼都心の明治神宮は100年前、木が殆どない荒地を当時の造園や林学の専門家が将来を見越して造林。現在は鬱蒼(うっそう)とした森になり生き物も3000種に及ぶ▼昨年亡くなった生態学者宮脇昭はドイツで学んだ植生を活かし半世紀かけて4000万本もの木を植樹指導した。秦野の出雲大社(相模分祠)では氏の〈ふるさとの木によるふるさとの森づくり〉の理念で市内各地に植林されている▼ドイツでは森を護る仕事は医者や宇宙飛行士と同様に尊敬されるという。所で忘れてはいけないエコロジストの先駆者南方熊楠(みなかたくまぐす)。明治末期政府は国家に合わない神社を廃し、結果(神社の)鎮守の森は多く伐採された。彼は未だ自然保護の考えがない時代、エコロギーという言葉を使い国の政策に反対(孤軍奮闘、世論を動かし10年後この政策は終息)▼森は木材や食料等の資源、土壌を通して(緑の)ダムを齎(もたら)し、二酸化炭素を吸収して大気を浄化(セラピー)する。そこでは生き物は食物連鎖等々互いに多くの関わりをもっている▼以上の事実は自然界の生き物だけではなく人間にも当てはまる。所詮世界はすべてそれ自体で存在できるものはなく、それぞれは相互に依存し無数の糸で繋がっている。その意識を欠く驕りや傲慢、他者への不信、遂には争いになる。その事は最近よく聞くSDGs(目標は地球温暖化防止、貧困や不平等をなくす、平和の実現)にも通じる根本だ。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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