5月14日に行われる「看護の日」イベントの実行委員長を務める 上村 美智留さん 横浜創英大学看護学部兼大学院研究科教授 53歳
「支えあい」地域で育む
○…横浜創英大学で毎年開催され、今年で5年を迎える「看護の日イベント」。地域住民の健康に寄り添い、大学と地域との架け橋となってきた重要なイベントのかじ取り役を任された。今年度から新設された大学院、そして看護学部の教授として今春招かれて以来、各所との対応など忙しい日々を過ごす。緑区に来てまず感じたのは、「地域の方々の”地元愛”」。ゴミの落ちていない街路やちょっとした花が植えられる軒先を見るたび、「おもてなしの心が行き届いた街だな」と感じているという。
○…共働き家庭で育ち、幼い頃から近所の人たちの温かい心や、思いやりに支えられて大きくなった。将来は誰かを支える仕事をと迷いなく看護職を選択。結婚、出産、子育て中も非常勤で病院や介護施設など色んな所で働いた。「虫食いのように合間合間で働く自分に落ち込むこともあったけれど、この時の経験があって今がある」と頷く。前職は特養のサービス部長。ターミナルケアの中心で「看取り介護」に情熱を注いだ。自身も母を介護する身。家族の視点と看護職の視点の狭間で奔走した。
○…長男が重い心臓病を患った時も、ママ仲間などを中心に多くの支えがあった。「本当にいろんな方々の助けでここまでこられた」と涙ぐむ。教鞭をとる身に転じた今、学生たちに伝えたいことは「人は一人では生きていけない」ということ。「人とかかわることを恐れないで。相手がどうすれば心地よいか、常に想像し動ける人になって欲しい」
○…自らが専門とする地域・在宅看護学という分野は今後、多くの高齢者が自宅で人生の最期を迎える時代に向けて注目を集める。「これは我々だけでは成立しない。高齢者、そしてそのご家族、地域の皆さんと一緒に作っていくもの。いつの日か地域の皆様から頼りにしていただける自分になれたら」。先ほど涙を流した瞳が、強い決意に満ちた輝きを放っていた。
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