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公開日:2017.05.11

まちの先生事業
知識・特技を地域に還元
講師自身の成長も

  • 地域交流の役割も担う講座(写真/港北区役所提供)

 専門知識や特技を持つ人が講師となって、学びたい人たちに還元――。港北区が推進する「まちの先生事業」が地域交流の場となっている。当初45人だった「先生」の年間登録者数は、ここ数年は約200人。年間20件ほどだった講座の依頼数は約100件に上るなど、学び合う取組みが進められている。



 同事業は、様々な知識・経験や技術・技能を持った人材を地域で活用することにより、子どもも大人も世代を超えて学び合う環境をつくろうと2001年度に始まった。教えたい人と、学びたい人のコーディネートは港北区区民活動支援センターが行う。



 「まちの先生」に登録すると、区内の小中学校や地区センター、福祉施設、学習グループなどの「学びたい施設やグループ」に紹介される仕組み。講座や実演の依頼があると、区民活動支援センターを通して内容や日程、会場等の調整が行われることになる。



 手工芸、美術、日本芸道、生け花、健康、スポーツ、音楽、歴史、パソコン、経営、語学など、分野は多岐にわたる。



 「まちの先生」の登録者数は、事業初年度の01年度は45人。06年度に100人を超え14年度には200人に達した。一方、施設や団体からの依頼数をみると、03年度に23件、14年度には104件となった。詳細記録がない年度もあるが、区役所によると徐々に増加し、今に至っているという。



定期開催の講座にも発展



 今年開催された「親子リズム体操」講座では、依頼した活動団体から「親子で楽しめた。汗をかけて良かったという意見が多かった」との声が寄せられた。



 高齢者施設の依頼で行われた「書道」講座は、「明るく丁寧で素敵な先生」と好評だった。そのため、同事業とは別に定期的に講座が開かれることになるなど、「まちの先生」の枠にとどまらない地域交流に発展している。



 「まちの先生」にとっては、教えることで自身の成長にもつながる実感もある。



 ファッション分野で講座「コーディネートを楽しむ」を開く倉屋勇治さん(79)は5年前に「先生」に登録した。今年は1月に講座を開き、次回は6月を予定している。「どのように伝えるか自身の勉強にもなる」と話す倉屋さん。講座で話が広がり、食の分野の「男のパン教室」も始めた。



 体操分野で「歌ってのびのびシニアストレッチ」を実施するのは、西山篤子さん(66)。5年程前に登録し、今では月に7、8回の講座をこなす。集まるのは65歳以上が中心。西山さんは「みなさんとのおしゃべりも楽しい。私も元気をいただいています。これからも続けたい」と話す。



 事業を担当する区役所総務部地域振興課、十鳥美津子さんは「多くの方に『まちの先生』事業を活用していただくことで、区民の皆さまの知識・経験の伝承や生きがいづくり、地域のつながりづくりになれば」と話している。



 問い合わせは、港北区区民活動支援センター【電話】045・540・2246へ。

 

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