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さがみはら中央区 人物風土記

公開日:2013.02.07

相模原市緑化木生産組合長に就任した
志村 和夫さん
田名在住 63歳

植木産業の立て直し図る



 ○…1979年の設立当時から、「農事組合法人相模原市緑化木生産組合」に携わり、この道40年。市内7地区、総勢42名の組合員をまとめる11代目の組合長となった。「優良な苗を提供したい」。与えられた3年の任期の中で、生産・流通が右肩下がりとなっている業界の立て直しに全力を尽くす。



 ○…田名で生まれる。就学前に父を亡くし、植木農家として生計を立てる祖父母と母のもとで育つ。「バカがつくほど真面目だった」という学生時代は家と学校の往復のみ。身近に植木が並ぶ環境に特別興味を持つことなく過ごしてきた。農家を継ぐと決めたのは、知り合いの造園会社社長の、植木に対する深い愛情や懸命な取り組みを幾度となく目にしてきたからだ。「あの出会いがなかったら会社員をやっていたかも」。人生を変えた出会いに、今でも人との縁を大切にしたいとの思いがある。売上が伸びずに苦しい思いをした数年も、組合の仲間の支えがあってこそ乗り切れた。



 ○…毎日畑に足繁く通うため、休みといえば「雨の日くらいかな」と当たり前に笑う。市の農業委員なども兼任する多忙の中で、妻と3人の子どもを育てあげた。「父親像がどんなものかわからないまま、手探りで子育てをしていたけれど、3人とも素直に育ってくれた」と若き日々を振り返る。最近のブームはサッカー。帰宅後はテレビをつけ、どのチームの試合でもチェック。中でも国際試合のときの日本の応援は欠かせない。



 ○…40年前、ベッドタウンとして戸建の建造が増えた市内で、植木が「出せば売れた」時代は過去の話。低迷する植木産業を立て直すため、組合員の統率を図りたいと意気込む。「息子が去年、家を継ぐと言ってくれたことが嬉しくて」。一人でも多くの人に花木を楽しんでもらうために。試行錯誤の改革はまだ始まったばかりだ。

 

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