久里浜港に来月、千葉県から宮崎県へ向かう貨物船が集荷のため寄港する。横須賀市が誘致を進めていた取り組みで、今回は実証実験として行われるもの。市は同港の利便性をPRして、岸壁使用料の安定した収入が見込める定期就航の実現、さらに物流拠点として機能させることでの経済効果を期待している。
市は経済効果に期待
今回貨物船が寄港するのは1994年から市が10年かけて埋め立てた久里浜1号岸壁。延長260m、水深7・5mで、大型船舶の寄港を見込んで造られた。完成後の翌年からは久里浜―大分間でカーフェリーが就航。取扱貨物量も船舶乗降人員の推移も3年間で増加傾向にあったが、原油の高騰を受け船会社が破産。以降は同岸壁を使用した定期便は途絶えていた。
久里浜港は速度規制がある浦賀水道を通らずに寄港できる点、横横道路佐原ICまで10分の陸路による良好なアクセスなどが特徴。横須賀市は東京や千葉に勝るこの優位性を全面に打ち出して積極的にポートセールスを行ってきた。その中で連携を深めてきたのが宮崎県日向市。関東から宮崎(細島港)方面への貨物船の集荷が少ないこともあり、4年前から本格的に誘致を開始した。一昨年には市内で開催した初のポートセミナーに同市の市長(当時)が出席するなど情報交換を進め、来月のトライアル寄港に至った。横須賀市の担当者は「来年以降も続けていき、最終的に定期航路につながっていけば」と期待している。仮に今回と同程度の貨物船(7千t)が週に1度でも港を定期利用した場合、年間で400万円程度の収入が見込めるという。また、市がセミナーに参加した業者に行った調査では、半数が新航路が出来た場合、利用を検討するとしており民間のニーズも高く、地元経済の活性にも期待が高まる。
旅客用フェリーの就航に関しては具体的な話は進んでいないが、ここ数年は日本丸などの大型船が年に数回寄港しており、将来的には客船の定期誘致も視野に入れていきたいとしている。
冷凍ケーキ・温泉施設
新店舗で港内に活気
久里浜港内には新たに2つの企業が進出して、今年から店舗を構えている。ウイング興産(株)が運営する飲食店「漁師料理よこすか」、温泉施設「海辺の湯久里浜店」=写真左=は5月の連休中だけで約2万人が来客。市外からの観光客も多いという。
ファミール製菓(株)は冷凍ケーキ工場に併設直売所をオープン=写真右。規格外商品を格安で販売しており、地元を中心に多い日では約800人が訪れるなど盛況となっている。
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