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青葉区 人物風土記

公開日:2014.03.06

横浜ビジネスグランプリ2014で最優秀賞に輝いた
手島 大輔さん
大場町在住 43歳

家族思い、仲間と歩む

 ○…会社員を経て起業し、誤飲しても害がない歯磨き粉を開発。この製品の販売に障害者が携わることで、障害者の雇用機会につなげるビジネスモデルを生み出した。「良い商品を通じて、障害者が一定の収入を得られる雇用の場をつくりたかった」と力強く語る。

 ○…商社やコンサルティング会社勤務を経て、ベンチャー企業へ転職。子どもに障害があったことから、障害者の雇用創出を目指し、イタリア製オーガニック化粧品ブランドを、36歳のとき立ち上げた。ゼロから始めたが、売上は1年足らずのうちに市場価格で約10億円に。手応えを感じ、翌年に独立を果たした。我が子が障害を持っていることを仕事仲間たちに話すと、「私も同じ」という声が。「それなら」と、仲間を集めて5年前にNPOのボランティア団体「セルザチャレンジ」を設立した。

 ○…一歩ずつキャリアを重ね、業績は好調だったが、リーマンショックで一転。これまでの利益も消えていった。そんなとき、衝撃を受けた新聞記事がある。障害のある息子を残し母親が他界。数日後に息子も亡くなった、という内容だ。「親亡き後、子はどうなるのか。障害者の工賃は低いまま。寄付やボランティア支援だけを続ける、このままの自分のやり方では限界がある」。一文無しになり、「生きるために自分ができることをしよう」と道を切り開いた。その志を受け、NPO仲間たちが次々に「手伝うよ」と言ってくれた。

 ○…従業員は2人だが、各分野で活躍する仲間約40人が事業を支える。自宅兼事務所には妻と息子3人の家族が暮らす。「いつか障害者と家族が安心して暮らせるように」。家族への思いが活動の原動力になっている。今は障害者が働く施設と成年後見事務所が連携する仕組みづくりに向け、奔走する。三児の親として悩みは尽きず、困難に向き合う日々。それでも「やっぱり子どもより大切なものはない」と表情を緩めた。

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