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公開日:2014.07.10

青葉・都筑・鶴見・港北
「お薬手帳」電子カードで
4区約70薬局、7月から

  • 「ハルモ」を端末にかざすと調剤履歴が記録される=(株)ソニー提供

 ICカードで調剤情報を管理する、電子お薬手帳システム「harmo」(ハルモ)の運用が7月1日から青葉、都筑、鶴見、港北区内約70の薬局で始まった。調剤履歴をインターネットで管理するため、携行忘れ、紛失など従来の冊子型で指摘されていた課題への対策にもなりそうだ。



 ハルモは交通システムや各種電子マネーで使われている非接触型ICカード技術「FeliCa」(フェリカ)によるもので、(株)ソニーが開発。昨秋から川崎市全域で展開し、今月からは青葉区を含む横浜市内4区で導入された。薬局の端末にかざすだけで調剤履歴の閲覧と記録が可能。利用者はスマートフォンなどから調剤情報を閲覧できるほか、服薬後の副作用・アレルギーなどの記録も。複数の医療機関で薬が処方された場合でも、医師や薬剤師が薬の重複や飲み合わせのチェックができるため、リスク回避にもなる。居住地の異なる家族間で情報共有できるため、高齢者の安否確認にも一役買いそうだ。



情報管理に工夫



 氏名や生年月日など個人情報を除き、利用者の同意のもと調剤情報、副作用などの薬歴データはインターネット上のクラウドに蓄積。不正アクセスに備え、蓄積データに個人情報は保存しない仕組みになっている。



 薬の処方内容は統計データとして保存され、専門機関によるインフルエンザなど感染症流行の情報発信に生かされる見通しだ。副作用の情報は、服薬で生じるトラブルの早期発見にもつながる可能性がある。



 青葉区薬剤師会の相談役、小菅弘さんは「冊子の手帳に比べて、カードなら携帯しやすい。電気が使えない災害時は、冊子型が役立つこともあるので併用してほしい」と呼びかける。「自分で購入した一般薬の履歴も、ハルモを使えば手軽にデータで残せる」とも。冊子型、電子カードを問わず、お薬手帳の利用率が上がれば、利用者と医師、薬剤師の情報共有につながり、アレルギーや副作用への対策にもなりそうだ。

 

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