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公開日:2025.12.18

平川神社囃子保存会
50年の歩み振り返る
記念式典に約50人

  • 岩崎会長の音頭で乾杯する参加者ら

 平川神社囃子保存会(金子惠一会長=人物風土記で紹介)の50周年記念式典が11月29日、國學院大學のレストラン「ヒルトップ」で行われた。会員や関係者など約50人が節目を祝い、昔話に花を咲かせた。

 1974年、金子会長と故・安藤秀雄さんを中心に集った有志によって立ち上がった同保存会。青葉区最大級の祭り「驚神社例大祭」や年始の悪魔はらい、地域の夏祭りなどで陽気な音色を奏でて練り歩く、街のにぎわいの立役者だ。

 実は、平川囃子の誕生は今から90年前、1935年まで遡る。当時盛んだった保木囃子連から師匠を招き、古い太鼓を借り受けて囃子連が結成された。第二次世界大戦を乗り越えて2代目に継がれたが、高度経済成長の波にのまれ、一度解散。祭りの日も神社に明かりが灯らず、囃子も聞こえない時代を迎えた。

 近隣の囃子連と交流する中で、「平川にも再び明るい祭り囃子を」と想いを抱いた金子会長らは、先輩に頼み込んで新稽古を開始。倉庫に眠っていた囃子屋台のほこりを払い、揃いの半纏に身を包み、「平川神社囃子保存会」の名前で3代目として再スタートを切った。金子会長は「初代会長の黒沼七郎さんや、平川囃子誕生から関わってくださった師匠・飯島弥吉さんをはじめ、良い仲間や指導者に恵まれて、神社に明かりを取り戻せた」と当時を振り返る。

 街に活気を取り戻した同保存会だが、それだけでは留まらず。「もっと地域を巻き込んでいきたい」と、その後6年の間に子供神輿、大人神輿をデビューさせた。

次代へつなぐ

 記念式典には、平川神社総代の倉本澄夫さんや平川神輿会の岩崎一夫会長の他、保木太鼓連や交流の深い近隣の囃子連からも多数の来賓が出席。来賓を代表してあいさつに立った荏子田囃子連の井上正明さんは、「紆余曲折を経て、一生懸命頑張ってきた歴史ある囃子連。毎年、素晴らしい演技を見せてくれる。今後も青葉をリードしてほしい」と節目を祝った。

 ビール片手に、当時の苦労話や笑い話で盛り上がった参加者ら。会場のスクリーンには、50年の歴史を振り返るスライドショーが投影され、懐かしの写真の数々が式典に花を添えた。途中、平川囃子のパフォーマンスも行われた。

 現在、同保存会の会員は33人(10月時点)。かつて1台だった囃子屋台は、今では大人と子どもの2台に増え、祭りを盛り上げている。一方で、目下の課題は後継者の育成だ。金子会長は、「囃子の技術習得には、長年の稽古の積み重ねが大切。学校や習い事、仕事など、忙しい中で参加してくれる若者たちを、しっかり育てていきたい」と保存会のこれからを語った。

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