子どもと大人が対等な立場で仮想の街づくりを行う「チッチェーノ・チッタ」が、11月17日(土)にたまプラーザで初めて開催される。「地域から子どもたちへ生きた教育を」をテーマに、地元の女性2人が立ち上げた取り組みだ。
イベントの中心を担うのは、荏子田在住で花屋を営む鈴木美由紀さんと、鴨志田町で地元の祭りやマーケットを開催してきた藤好つむぎさん。昨年11月、子どもが起業・就業を体験できるイベント「みらまち」があざみ野で行われ、出店者として参加したことがきっかけだ。子どもたちが「市民」として納税し、ハローワークで仕事を探すなど実際の社会の仕組みに沿って展開しており、「1回きりで終わるのはもったいないと思った」と鈴木さん。「もっと地域に密着し、地元企業や住民と絡めないか」と藤好さんも思いを深め、今年1月から開催に向けて話し合いを重ねてきた。「みらまち」の主催者からも協力を得て、イベントを引き継ぐ形で企画を組み立ててきたという。
また、神奈川県と田園調布学園大学も「かながわ子ども合衆国」と題して仮想の街づくりを各地で実施しており、チッチェーノ・チッタも加盟団体の1つ。県内12カ所目の開催となる。
社会の仕組みを学ぶ
チッチェーノ・チッタは「ちっちゃい人たちの街」を意味する造語。「大人が準備するのではなく、子どもが一緒に作っていくものにしたかった」と藤好さん。イベントでは、子どもはまず「市役所」で市民税を納付して市民になり、ハローワークで仕事を探す。仕事体験後は共通紙幣「チッタ」で給与が支払われ、税務署で所得税を納付すると街で買い物ができるという仕組みだ。子どもが経営者となり、予算立てや出店計画を行った「子ども出店」が6店舗あるほか、地元農家や商店など19団体が参加。マーケットとして出店し、仕事体験受け入れ先も兼ねる。市役所などの行政機関は高校生、大学生のボランティアが担当。就業前には職業訓練も行うという。「実際の街と同じで完成させるのがゴールではない。いつかこの街を支えていく子どもたちに、地域の一員として主体的に街づくりを担ってもらえたら」と鈴木さんは話す。
チッチェーノ・チッタはさんかくBASE(美しが丘2の23の1、3)で開催。午前10時15分〜受付開始、午後4時閉場(最終受付2時45分)。仕事体験(有料)は120人で締め切るが、街への入場は自由で、商品の購入や各店のワークショップなどは随時可能。「皆の声で変わっていく街。ぜひ参加して、感じたことを教えてほしい」と藤好さんは話している。問合せは運営本部【メール】cicceno.citta@gmail.comへ。
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