「飛蚊症(ひぶんしょう)は治療が必要?」 コラム【5】 悠先生のちょっと気になる目のはなし
視界に黒い点や線のようなものが見えるといった症状で受診される方は少なくありません。これは飛蚊症(ひぶんしょう)と呼ばれている症状であることが多いです。
飛蚊症は、目の中の硝子体という透明なゼリー状の物質内の浮遊物が、目の奥の網膜に影として映ります。これが黒い点や線のように見える症状として表れます。
飛蚊症には病的なものと、生理的で病的ではないものに分けられます。病的な場合、網膜に小さな孔が開く網膜裂孔やぶどう膜炎のような目の中で起きる病気の初期症状として飛蚊症が生じるので、この場合は治療が必要になってきます。
生理的なものでは、頻度が高いものに、後部硝子体剥離という聞き慣れない現象に伴って発症するものがあります。機序は複雑なので割愛しますが、ゼリー状の硝子体は、40から50歳くらいになってくると、その性質や状態が変化して浮遊物が出現することがあります。そうすると飛蚊症が出現するようになるのですが、この場合は治療しなくても大丈夫です。ただ、飛蚊症の病的なものと生理的なものの区別は、実際に診察で眼底を観察しないと見つけることが難しいため、飛蚊症が新たに出現したり、様子が変化したりするようであれば、なるべく早めに眼科で眼底検査を受けることをお勧めしています。
市ケ尾町の「梅の木眼科医院」の加藤悠院長が、目を健康に維持するために大切なことを分かりやすく教えてくれるコーナーです(月1回第2週目に掲載)
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