シェア農園や自然との触れ合い、イベントなどを通して地域住民の共助を促す実証実験の場として「nexus(ネクサス)チャレンジパーク早野」=川崎市麻生区=が4月、すすき野団地の近接地にオープンした。同団地やあざみ野商店会も協力。運営する東急(株)は、企業や行政なども巻き込んだ拠点づくりを目指す。
同施設は、東急が所有していた7822平方メートルの市街化調整区域を活用。地産地消マルシェなど多目的に利用可能なトレーラーハウス、アプリで作業や管理を行うシェアリング型のコミュニティー農園、焚火を楽しみ、火の扱いを学ぶことで防災力を高める広場、養蜂やカブトムシの育成などを通じて生態系を学ぶ「生き物の森」の4エリアで構成されている。
すすき野団地の活性化に取り組む(一社)団地暮らしの共創は「生き物の森」のエリアで養蜂を行い、採れた蜂蜜を使い商品づくりに取り組む。今後は、あざみ野商店会と連携し、収穫した野菜を飲食店で提供するなど地域とも協働していく予定だ。
施設の立ち入りは自由で、利用時には専用アプリのダウンロードが必要。利用料については当面の間は無料。夏ごろに有料化する予定。
今後3年で10施設
同社は、多摩田園都市エリアで「歩きたくなるまち」を目指す「nexus構想」を掲げる。今後、構想に共感する行政や企業を募り、連携してサステナブルをテーマに、地域ネットワークを構築していく。飲料メーカーとのワークショップや近隣の桐蔭学園との連携も検討中だ。
同社沿線開発事業部の三渕卓担当部長は、「コロナで生活様式が変わった。この構想は、これまで夢だった土いじりや焚火などを日常生活の中に定着させていくもの。その第1弾がこの施設となる」と背景を語る。
今後3年で「エネルギー」「モビリティ」「資源環境」「ウェルネス」「教育」をテーマに10施設を同エリアで展開していく意向も示す。同社は、「構想に共感いただいた地権者や企業、行政が保有する空地や低未利用地などを整備し、地域の新しい仕組みを構築していきたい」とする。
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