旧霧が丘第一小跡地 防災広場所有の戸建住宅へ 事業予定者はタクトホーム(株)
横浜市は先月、旧横浜市立霧が丘第一小学校跡地が防災広場を所有する全76戸の建売分譲地になることを発表した。近隣小学校の再編統合のために閉校した平成18年4月以来、同敷地は活用方法が模索されてきた。なお、販売開始時期などについての詳細は今後決定することになる。
霧が丘第一小は廃校以来、平成20年に横浜市が行った最初の公募で学校法人に事業者が決定したものの、翌年に経済情勢の悪化を理由に辞退。その後市は事業者の再公募を検討してきた。
土地面積13,121平方メートルを有する同小跡地の建物用途は、建築基準法が定める第一種低層住居専用地域に建築可能な建物が条件。最初の公募では用途を学校に限定していたが、今回は、公募条件の見直しを行い、学校以外の用途にも間口が広げられた形となった。
昨年10月に設けられた応募期間には、学校法人と事業予定者に選定されたタクトホーム(株)(本社=東京都西東京市)の2者からの応募があった。審査は、市が設置した外部委員による審査委員会が事業提案書を基に事業主体・計画、施設整備計画などの項目で評価した。
タクトホームは横浜市に対し、全76戸の戸建住宅地を提案。事業提案の条件となっていた地域社会への貢献や地球環境との共生、保全に配慮する取り組みとしては、敷地内に防災広場を所有することなどを盛り込んだ。
コミュニティの活性化
タクトホームの担当者は「昨年の東日本大震災発生以来、住民の防犯に対する意識が高まっていると考え、防災広場を所有する建売分譲地を提案致しました」と話し、防災広場の維持管理や運営の継続性について分譲後も参画する意思を持っていることなども合わせて評価対象となった。
約530平方メートルの防災広場には防災備蓄庫・井戸・防火水槽・あずまや・ベンチなどを整備予定。防災広場は購入者以外の近隣地域などにも広く開放されるという。
市の担当者は「新しく住民が増えることで、地域のコミュニティが活性化するのではないか」と期待を寄せるとともに「事業予定者と共に話し合い、造成、建築計画及び工事内容については、周辺住民の方に十分説明を行い、理解のもとに事業を進めたい」と話す。
一方で、周辺住民からは防災広場の維持・運営方法などについて不安視する声も上がっている。霧が丘連合自治会の塚田順一会長は「ずっとそのまま寝かせてしまうよりは再活用してもらったほうがありがたい。しかし、住宅を販売後、事業予定者が本当に維持・管理をしっかりやってくれるのか。市や事業予定者には、良好な景観形成やコミュニティの維持など、周辺地域との最適な融和方法などを詳細に検討してほしい」と話す。
今後は、市と事業予定者による維持、管理などについての詳細な話し合いの場がもたれる予定だ。
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