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公開日:2025.12.25

神奈川大学サッカー部の4人
絆を力にJリーグへ
チームに加入内定し 会見

  • Jリーグのチームへの加入が内定し、記者会見に臨んだ(左から)尾崎さん、渡邉さん、藤田さん、前田さん

 緑区内の竹山団地に住み、地域貢献活動を続けながら練習に励む神奈川大学サッカー部の部員のうち、Jリーグのチームへの加入が内定した4人が12月10日、竹山ホールで開かれた記者会見に臨んだ。日頃部員たちと交流を深めている多くの地域住民らが会見場に集い、4選手の晴れの舞台を見届けた。

 会見に臨んだのは、2026シーズンから福島ユナイテッドFCへの加入が内定した藤田仁朗(じろう)さん(4年)、AC長野パルセイロに加入内定した尾崎裕人さん(4年)と渡邉禅(ぜん)さん(4年)、2027シーズンからアビスパ福岡に加入内定した前田快(こころ)さん(3年)。同部の大森酉三郎監督が各選手の経歴や強み、プレースタイルなどを紹介した後、4人はそれぞれの抱負を語った。

 藤田さんは「プロである前に、一人の人間として応援してもらえるような人になり、見ている人をワクワクさせる選手になりたい」、長野県出身の尾崎さんは「生まれ育った地元のチームに内定してうれしい。長野に元気や笑顔を増やし、子どもたちに夢を与えられる選手になりたい」と言葉に力を込めた。

 渡邉さんは「これまで支えてくださった皆さんに恩返しできるよう、日々謙虚に頑張っていきます」、3年生ながら内定を獲得した前田さんは「自分はまだ1年間ほど大学生活が残っている。竹山でさらにファンを増やしてJリーグに臨みたい。支えてくれた多くの人たちのおかげでここまで来られた。これからも『おかげさまの精神』でやっていきたい」と意欲を示した。

支援、応援、深める縁

 部員たちの成長の背景には、地域貢献活動などを通じて育まれた竹山の住民らとの深い絆がある。神奈川大学と神奈川県住宅供給公社は2020年、地域の活性化と学生の健全育成に向けた連携協定を締結。同部の部員は、住民の高齢化率が高くコミュニティの活性化などが課題となっている竹山団地で生活し、多世代交流を深めながら地域課題の解決などを目指す「竹山団地プロジェクト」に取り組んでいる。

 この活動の中で、部員たちは高齢者向けのスマホ教室や子どもたちの学習支援などを通じ、多くの住民をサポート。また、花火大会や地域のイルミネーションの飾り付けに協力するなど、さまざまな貢献活動を継続している。学生への日頃の感謝を伝えようと、住民たちが同部の試合の応援に駆け付けることもあり、両者の間に世代を超えた結び付きが育まれている。

会見場に笑顔も涙も

 会見で「試合中、応援に来てくれた竹山の人たちの姿が見える」と語った藤田さん。「何とかゴールを決めている姿を見せたい」と、さらに力が湧くという。4年ほどにわたる住民との交流の中で、これまで以上に「人に気遣いができるようになってきた」と話すのは渡邉さん。「そうした成長がサッカーのプレーにも生きている」と実感している。

 同部の高橋厚部長は「部員たちはこの環境の中で、社会に出ても間違いなく通用する『人間力』を養った。この竹山団地で会見を開くことは意義深い」と語った。

 来場した竹山在住の女性は、部員たちについて「格好良いですね。交流できて、自分が若返ったようでうれしい。竹山団地に来てくれて良かった」と笑顔で語った。中には4人に向けて涙ながらに「プロになってもここにいたことを忘れず、また竹山に帰って来てほしい」と伝える人の姿もあった。

 大森監督は「地域の活動に関わることで、部員たちは他者のために汗をかくことができるようになった。卒業して全国に散らばり、人を大切にする意識を広める『種』になってくれると思う」と期待を込めて語った。

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