鴨居町在住の織裳(おりも)重雄さん(84)が自宅倉庫を改装し、地域の高齢者への開放を始めた。老人会優先で予約を受けるため、場所がとりやすく、カラオケも完備。織裳さんは「地域の憩いの場にしたい」としている。
150平方メートルの倉庫を改装し、老人会の憩いの場「アキホーム」を作った織裳重雄さんは自身も地元の老人会「白梅会」(篠原勇治会長)に所属する。鴨居地区には5つの老人会が存在するが、これまで寄合などの際には近くの自治会館やケアセンターを利用していた。老人会以外の団体も利用する公共の場では予約がとれないこともあり、アルコールが飲めないなどの制約もあった。
「カラオケを思う存分歌ったり、時にはお酒を飲んだり、自由に使える場所がないかというニーズは潜在的にあった。織裳さんはそれを形にしてくれた」と篠原会長は話す。
ステージ設備も
織裳さんは今年の初め頃から倉庫の改装を始め、自費を投入し「アキホーム」を完成させた。カラオケ設備やバリアフリーのステージを備え、約40人を一度に収容できる。吹き抜けの大きな壁には地元・白山高校絵画部が壁画を制作中で、来年春頃には完成する予定だという。
管理は織裳さんが所属する「白梅会」が行い、老人会からの利用希望を優先して受け付ける。現在ほかに地元の2つの老人会が年間行事などで同所を利用していく方針だという。利用者は10人以下の利用なら1日1千円、10人以上なら1日1人100円を利用料として納める。
織裳さんは「自分もある程度歳をとり、高齢者が楽しく過ごせる場所が欲しいと感じた。皆で過ごせる憩いの場を作りたかった」と話す。
篠原会長は「引きこもりがちな高齢者も、行く場所があって仲間と楽しい時間を過ごせれば、意識が外に向く。カラオケがしたくて、杖をついて来る人も沢山いる。織裳さんの施設がそんな高齢者の居場所となれば」と話している。
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