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公開日:2025.12.11

みどり国際交流ラウンジ
マナー周知し 親善促進へ
外国人に「生活ガイダンス」

  • ごみの分別などについて学ぶ外国人の参加者たち

  • 防災食として作られたちらし寿司を受け取る外国人ら

  • 防災食コンテストで振舞われたインドや日本の料理

 みどり国際交流ラウンジは11月30日、霧が丘地域ケアプラザで、ごみの適切な出し方や防災に役立つ情報などを地域の外国人に伝える「生活ガイダンス」を初開催した。霧が丘には多くのインド人住民がおり、同イベントには日本での生活マナーの周知のほか、国際交流促進や親善への願いが込められている。

 横浜市によると、緑区内には今年10月末現在、外国人5950人が暮らしており、うちインド人は1524人。緑区はインド人住民数が他の区に比べて突出しており、市全体のインド人住民3715人のうち実に約4割が緑区に集中している。

 2009年、霧が丘にインド系インターナショナルスクールが開校したことなどを背景に区内のインド人人口が増加。地域では異文化理解促進に向けたさまざまなイベントを通じ、日本人と外国人の出会いや交流の場が創出されている。

 一方で、区内に住む日本人からは「地域の公園で日本人とインド人の子どもがあまり一緒に遊んでいない」など、交流進展の難しさを嘆く声のほか、ごみの出し方などに関する一部の外国人のマナーを憂慮する声もあるのが現状だ。みどり国際交流ラウンジには数年前から、外国人住民の生活マナーを懸念する日本人たちから、電話などでの相談が寄せられているという。

 そこで同ラウンジは2年ほど前、霧が丘や十日市場町にあるインターナショナルスクール2校について、同スクールで学ぶ子どもたちの保護者らを対象に、ごみの適切な出し方などに関する質問を記載したアンケート調査を実施。外国につながる世帯のうち266世帯から回答を得たという。

 その結果、粗大ごみの出し方を理解する難しさだけでなく、日本語が困難な外国人には、粗大ごみを処分するための事前申込を日本語で行う難しさがある、などの課題が見えてきたという。

相手を知ることが大切

 「どうしたら、こうした地域の課題を解消していけるのだろう」(同ラウンジ担当者)。その取組の一つとして、11月30日に実施したのが「生活ガイダンス」(協力:UR都市機構)だ。主催の同ラウンジによると、当日は日本人たちのほか、約20人の外国人が参加。主催者がごみの分別方法などをスクリーンに投影し、英語や日本語で解説したほか「国が違えば、されて嫌なことやマナーも変わります。相手が何をされたら嫌なのかを知っておくことが大切です」と伝えた。

防災士が対策共有

 また防災ワークショップも開かれ、防災士の資格を持つ篠遠小登美さんが登場。外国人たちを前に、緑区の防災マップなどを紹介したほか、災害時に停電し、冷蔵庫が使用できなくなる事態に備え「普段から冷蔵庫に入れる必要のない食料などを用意しておくことが大切」と話した。さらに、災害用トイレの使用方法も解説し、来場者は熱心に見入っていた。

 外国人の参加者からは「非常食はどこでもらえますか」「災害用トイレで使う、においが出ない袋の名前は何ですか」などの質問が上がっていた。参加したインド出身のプッシュパラジャン・カマルラジさんは「災害用トイレの使い方を学べたのが一番良かった」と話していた。

 この日は、日本とインドの防災食コンテストも行われた。ちらし寿司やインドの伝統的な菓子のほか、塩分を多く含んだラッシーなどが振舞われ、試食した参加者たちが投票するなどして交流を深めていた。

 市の委託を受け、同ラウンジの管理・運営を行うNPO法人みどり多文化共創の会の杉山郡啓代表理事は「こういう機会をまたつくっていきたい」と話した。

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