死者200人以上と未曾有の大災害となった西日本豪雨。そんな中、被災地へボランティアとして駆け付けた星槎学園北斗校高等部(十日市場町)2年生の桑原諒さん=右下写真=(16)だ。
桑原さんの祖父母らは、今回の豪雨で川の堤防が決壊し、浸水被害を受けた岡山市で介護施設の運営に携わっている。幼い頃から長期休みの時には、祖父母の実家や介護施設に遊びに行っていたという親しみのある場所だった。その岡山市に7月6日から降り出した大雨。心配になった桑原さんは、何度も祖父母に電話をかけた。7日に状況を聞くと、「介護施設が床上浸水し、利用者は学校の体育館に避難している」と知らされる。
状況が写真で送られてくることで、次第に大きな被害が出ていることを実感した桑原さん。「写真は、自分がいつも遊びに行っている岡山ではなかった。何ができるかは分からない。でも、役に立ちたい」と一人で現地へ向かうことを決めた。
10日に新横浜駅から新幹線に乗り岡山駅へ。在来線は、本数を減らしていたものの、運行していたため、祖父母の家の最寄り駅までたどり着く。
その後、浸水した介護施設へ。水は引いていたが、床一面泥だらけの状態。「片付けを頑張り、利用者をいつもの施設に早く戻してあげたい」。その一心で、床の掃除、使用できなくなった家具の運搬など、幅広くボランティアに汗を流した。「引っ越し屋さんでアルバイトしているので、体力には自信があった」
印象に残ったのは、近所の公園に使用できなくなった家具などが山積みとなっていた光景。自然災害の凄さを目の当たりにした桑原さんは「災害の現場を初めて見た。長時間いると、頭が痛くなるような油のにおい、大量の砂ぼこりなど、テレビでは、分からない状況を肌で感じることができた」と語った。
6日間のボランティアを終え、東京へ。戻る頃には、全国各地からボランティアも集まってきていたそうだ。「地域の人から『来てくれてありがとう』と感謝された。短い期間だったけど、少しでも役に立てて良かった」と振り返った。
桑原さんの担任を務める北原久史教諭は、「普段から優しい性格。学校を休んでまで、被災地へ駆けつける決心には、驚いた。でも、肌で感じた経験は、将来、きっと役に立つはず」と話した。
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