緑区 社会
公開日:2025.12.25
「あの世」と向き合う機会に
デイサービスで研究会
緑区中山のサロンド鹿鳴館で毎週土曜日に行われている通所型サービス「笑顔サロン」の企画として12月13日、「あの世研究会」が開催された。区内や都内から60〜80代の高齢者約10人が参加し、「この世でどう生きて、どうやって死んでいくか」をテーマに考えを巡らせた。題材としたのは『死ぬ十五分前に読む本』(深見東州著)。講師が要点を抜き出し、参加者に解説をした。
話題は「死をどう捉えるか」、「死後の世界はどうなっているか」、「この世での良い生き方」など多岐にわたった。題材とした著書や各国の宗教の教えを参照しながら、生前の行いが死後の世界に影響を与えることや、祈りで救われることなどについて意見を交わした。講師は「それは本当かと言われると誰も見たことがない。大切なのはこの世に心残りを残さないこと」と死との向き合い方を提案し、「死ぬことを失敗した人はいないので心配しないでください」と話していた。
「誰も死ぬのは初めて。分からないから怖い」、「この年になると他人ごとではない」、「他の人がどう考えているか知りたい」といった理由で参加した高齢者たち。メモを取りながら興味深く聞いていた。
「あの世研究会」は2023年に第1回が開催され、今回で3回目。サロンド鹿鳴館を運営する高鹿治雄さんは「医者は命を救うがその後のことは考えてくれない。幸せに死んでいくにはどうすれば良いか、これは気持ちの問題になる」という思いから企画を立ち上げたという。「財産などを整理する終活とは全然違う話。同じ不安を抱える人が集まってじっくり考える機会になれば。これからも続けるので、生きている間は這ってでも来てください」と呼び掛けていた。
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