「都筑アートプロジェクト2020」の実行委員長を務める 土志田 三津夫さん 長津田町在住 65歳
夢中で夢を描き続ける
○…当たり前の日常が当たり前ではなくなったコロナ禍の世界を現代アートを通じて表現する展覧会を開いている。これまでは、地域に埋もれた歴史や風景をテーマとした展覧会など様々な活動を展開してきたという。常に模索している新たな表現の可能性。「現代アートに親しみのない人にも足を運んでほしい」と呼びかける。「展覧会で、少しでも『何か』を感じてもらえたらうれしい」と屈託のない笑顔を見せた。
○…緑区生まれ。「鉄腕アトム」など漫画を描くのが大好きだった子ども時代。唯一、没頭できる絵画の道へ進むのは、自然な流れだった。美大を中退し、単身米国へ渡り、現地の美大に入学した。「米国の現代アートへの憧れだけで動いちゃいましたね」と若かりし頃を振り返った。
○…アジア人ということで差別を受けた経験もある。自身のアイデンティティを再考せざるを得なかった。その思いをアートにぶつけたことも。「アートを通じて、マイノリティの声を掘り起こしていきたい」と真剣な表情で語った。米国での暮らしは、気が付けば約25年に。日本へ帰国後も展覧会の企画など積極的に活動を続けた。「現代アートは、今を最も敏感に反映するから面白い」と子どものように瞳を輝かせた。
○…長津田でアートスペース「赤い家」を運営している。「もっと、自由にアーティストが集う場を作りたい」とほとばしる情熱は冷めないよう。地域のコミュニティにも興味があり、アートでそんな場作りに関わりたいという。また、コロナ禍で様々な変化が起きている。「そんな変化のなかで、社会の端っこへ追いやられた存在をアートで描きたい」。何歳になっても、大きな夢を描き続ける人のようだ。
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