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緑区 人物風土記

公開日:2021.06.10

身の回りの危険を予測し、安全に暮らす方法を伝える講座を行う
樋口 誠さん
寺山町在住 66歳

「まさか」を予測していく

 ○…家の中でつまずく、自転車で転倒するなど、日常生活の危険は様々な場所に--。プラント建設現場で監督を務めた30歳の頃、作業員の安全を守るために多岐にわたる取り組みを行ってきた。自身も高所から転落しそうになるなど、恐ろしい思いもした。そんな経験があるからこそ、「『まさか』ということで怪我をしてほしくない」という思いは人一倍強い。「講座に参加して危険予知活動、始めませんか」と呼びかけた。

 ○…家の近くを練り歩くチンドン屋に憧れた子ども時代。音楽好きで、「グループ・サウンズをよく聴いてたね」と懐かしむ。東京五輪に向け、建設ラッシュ真っ只中の東京で育った影響か、大学卒業後に歩んだのは、プラントの建設会社だった。「工場などを建てる。そんなスケールの大きさに魅せられたのだろうね」と振り返った。

 ○…フィリピンや中東などへの出張も多く、必死に学んだ英語。さらに、現地の言語も覚えることで、深く信頼を得てきた努力家だ。”人は必ず間違える。だからこそ、間違えない仕組みを整える”が信条で、安全な設計を心掛けてきた。時には、仕事で落ち込むことも。そんな時は、気持ちが明るくなる替え歌を口ずさむ。「意外と、リフレッシュできるんですよ」とにっこり笑う。

 ○…現在は介護施設で昔話や詩の朗読を行うボランティアも行うほか、歌のサークルにも参加しており「子どもの頃に憧れた、人を楽しませる”チンドン屋”になった気分」と定年後の生活を存分に楽しむ。意識していることを聞けば「発する言葉や振る舞いで人をハッピーにしたい」とのこと。講座では、身近な事例を交え、危険を伝える。もちろん、参加者に楽しんでもらえる工夫を随所に交えながら。

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