緑区役所は、鴨居地域を流れる鶴見川沿い約1・1Kmに渡って植えられている桜約75本の内5本を伐採した。区によると、倒木の危険を避けるための措置。担当者は「桜並木を今後も楽しんでほしい」と話す。
今回伐採された桜は、1999年の緑区制30周年を記念して区が植樹したもの。ソメイヨシノを中心とした約75本が鶴見川の堤防の桜並木を形成。近年では、鴨居商栄会と鴨居連合自治会主催で「鴨居桜まつり」を開催し数万人の来場者数を記録するなど、近隣住民をはじめ、多くの人に親しまれてきた。
一昨年の台風被害で
桜の伐採は2019年10月、台風19号の通過後に大きな枝が2本折れているのを確認したことがきっかけとなった。枝が折れたことでの人的被害は確認されなかったが、区は昨年度に市内の業者に樹木医による樹木診断を依頼。地面から0cmと20cmの高さの所で検査を実施し、40%以上の空洞率が認められた桜の木を伐採することが決まった。区の担当者によると、伐採された木の根元にはベッコウタケやコフキタケなどのキノコ(子実体)が発生していて、目視で確認できる状態だと根の中心部まで腐朽し、倒木の危険性が高まるという。
ある樹木医は「根元にベッコウタケが目視できる状態は、根がやられている一つのサインになる。鴨居の桜並木周辺は多くの人が行き来しているので、根が踏まれ、痛んだ場所から菌が入り込んでしまったとも仮定できる」と語った。
また、趣味の仲間と河川敷を訪れていた男性は「今回切られた桜の木は、葉が少なく小さかったので病気になっているなと感じていた。安全性を考えると伐採は仕方ないと思う」と話した。
区の担当者は「区民や通行人の安全安心のための伐採。今後は定期的に診断をしていく。見事な鴨居の桜並木を今後も楽しんでほしい」と話し、新たな植樹の予定なないとした。
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