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緑区 人物風土記

公開日:2025.07.17

白山地区センターで7月20日にピアノコンサートを行う
清水 せりなさん
鴨居在住 50歳

鶴になり、心に響く演奏を

 ○…地元住民へ、プロの演奏を届ける。コンサート本番前の期間は「食べても食べても太らない」。それだけエネルギーを注いで準備する。楽曲一つをとっても「底が見えないのが面白さ」と言い、深みを目指す過酷なプロセスを楽しむ。気分は『鶴の恩返し』の鶴。「身を削って注ぎ込むからこそ、密度の濃い演奏ができる」。普段クラシックを聴かない人にも「良い刺激となるような演奏ができれば。良いものは心に響くはず」と真剣な眼差しで自宅のピアノに向かう。

 ○…千葉県出身。生まれたときからピアノ一筋だった。家にあったアップライトピアノによじ登り、耳で覚えた曲の音が出る鍵盤を叩いて遊んだ幼少時代。「3歳のときには曲を作り、ぬいぐるみを観客にしてリサイタルを開いていた」という神童っぷり。

 ○…上京して桐朋学園大学に入ると、同大学研究科を首席で修了。ハンガリー国立リスト音楽院に留学もした。その後は一流の音楽家たちと共に、国内外で数々の舞台を踏んだ。夫の仕事の都合で4年間ほどアメリカに住んでいたことも。2011年、日本で震災が起きたときは母国を支援しようとチャリティーコンサートも行った。

 ○…事務所など組織には所属せず、毎年、自主企画でコンサートを開いている。「芸術は玄人だけの狭い世界のものになりがち。気取ったものではないのに」との思いから、自主企画ではトークにも力を入れている。曲の情景や作曲家のエピソードなどを初めに言葉で伝えて、「曲に入りやすいようにしている」。ファンの期待に応えるため、手のケアも最重要項目だ。「本番前は千切りキャベツはやめようか、とかね」。家庭的で気取らないトークがファンの心を掴んでいる。

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