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緑区 文化

公開日:2025.08.14

歴史刻む戦争遺跡
日吉台地下壕保存の会の活動

  • ガイドによるミニレクチャー=8月2日

 太平洋戦争の終戦から今年で80年。戦争を知らない世代が増えゆく中、日本各地に残る戦争遺跡は、悲劇の歴史を今に伝える貴重な存在だ。都市開発や老朽化で消滅の危機に瀕している戦争遺跡を調査・研究し、その保存を訴え続けているのが「日吉台地下壕保存の会」である。

 慶應義塾大学日吉キャンパスを中心に、旧帝国海軍連合艦隊司令部や艦政本部などが置かれた、総延長5千メートルにもおよぶ巨大な地下壕が存在する=上写真(同会提供)。厚さ40センチのコンクリートで固められた地下壕には、作戦室や電信室などが設けられ、レイテ沖海戦や沖縄戦の指令、特攻隊や戦艦大和の出撃命令がここから下されたといわれている。

 同会の発足は1989年。慶大関係者や地域住民などを中心に、月2回の定例見学会や小中学校の社会科見学、展示会などを通じ調査・研究や保存を呼びかける。特に力を入れる見学会には、年間1200人以上が訪れている。また、戦争の歴史を語り伝える語り部(ガイド)の養成にも積極的に取り組んでいる。

パネル展を開催

 同会や慶應義塾福澤研究センターが所蔵する写真で、当時の様子や地下壕の状況を伝えるパネル展が8月16日(土)正午まで、港北図書館(菊名)で開催中。「平和を感じる機会になれば(冨田育子館長)」と、関連書籍コーナーも設けられている。17日(日)からは、慶應義塾大学協生館にある「日吉の本だな」に会場を移し、9月5日(金)正午まで開催する。

 8月2日に行われたミニレクチャーでは、運営委員の一員で、長年ガイドを務める佐藤宗達さん、田中剛さんが約60枚のパネル写真を解説した。「地下壕の存在や我々の活動を広めていきたい」と佐藤さん。

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