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緑区 人物風土記

公開日:2025.09.04

「国際交流KAKEHASHI」の代表を務める
中野 宮仙さん(本名:中野栄美子)
中山在住 47歳

多文化の架け橋に

 ○…週5で書道教室を開きながら、地域のボランティアにもいそしむ。「休めない病気ですね」。加えて今年4月には近隣に住む外国人に日本文化を伝える活動も始めた。「日本文化を広めて相互理解が深まれば住みやすさにもつながる」と月に1回程度、国際交流イベントを開催している。アイデアとエネルギーは無尽蔵。「主人からは『趣味は元気』と言われています」と笑う。

 ○…港北区大倉山生まれ。喘息持ちで中学3年生までは学校を休む日が多かった。社会科見学にも参加できず「友達との会話に入れないのが悲しかった」。目立たない性格だったが高校に進学すると環境が一変。担任からの指名で学級委員を3年間務めた。役割を全うする中で「人としゃべることがこんなに面白いことだなんて」と気づいた。大学卒業後は、国内外から多くの観光客を迎える飛騨高山のホテルで3年間働いた。

 ○…小学校低学年のときに書道教室に通い始め、20歳過ぎまで続けた。「反抗期に親には言えない悩みを先生に聞いてもらった。ずっとしゃべっていたので劣等生でした」。しかし身体に沁みついた感覚は離れず、10年ほど前に資格を取り自分の教室を開いた。子どもが楽しそうに書いてくれるのがうれしくて、「寝ても覚めても教室のことを考えています」。

 ○…「腕を磨き続けたい」と書の勉強に励み、公募展にも積極的に出展している。今夏の書展では偶然にも、昔通っていた教室の講師が審査員だった。約20年ぶりの再会を果たし、書道を再開したことを伝えた。当時の「劣等生」は指導者になり日本文化を外国人に発信している。文化の違いを超えて互いに尊重し合える関係性の構築を目指して。「その架け橋になれたら」と夢を描く。

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