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緑区 人物風土記

公開日:2025.10.30

今月、新刊『真昼にも星が光ると知ったのは』を上梓した
梨屋 アリエさん
十日市場町在住 54歳

人に寄り添う本 作りたい

 ○…小説『でりばりぃAge』で第39回講談社児童文学新人賞を受賞したのは1998年。思春期の少女の心の成長などを描いた同作でデビューした20代当時を思い「うれしい反面『この後どうしよう』という不安もありました」と懐古する。それから四半世紀以上にわたり、中高生向けの作品など数々の本を出版。今月、5年振りに新刊を上梓した。主人公は横浜市在住という設定の中学2年の女の子。「子どもに寄り添える本を作りたい」。強い思いが執筆の原動力となった。

 ○…「小学生の時は本を読むのが苦手だった」。文学作品などを積極的に読むようになったのは中学時代から。読書好きの友人たちとの出会いなどが契機だった。当時は特に海外のSF短編作品などを楽しんだという。創作にも意欲的で「中学生の頃から作家になりたいと思うようになった」。友人との同人誌製作も良い思い出だ。

 ○…栃木県生まれ。幼稚園児の頃から電子オルガンを習い、短大卒業後は音楽教室で4年ほど教えた。20代半ばで結婚を機に都内に転居。緑区には10年ほど前に越して来た。実家がナシやコメなどを生産する農家だったためか「区内に広がる田んぼを見るとほっとする」と言う。作家としての経験を生かし、法政大学で非常勤講師として17年ほど、創作的な文章の書き方などを教え続けている。昨年からは共立女子短期大学でも文学創作などを教え、今年からは客員教授も務めている。

 ○…ある盲ろう者との出会いをきっかけに、5年ほど前からは手話を学び始めた。近年は、日常的に手話が必要な人たちが好きな本について語り合う「本好きさんの手話べり会」を区内で主催している。これからも「読書を通じて交流できる場を増やしていきたい」。

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