港北区版 掲載号:2016年3月31日号 エリアトップへ

閉鎖するタウン誌「とうよこ沿線」の編集長を務める 岩田 忠利さん 日吉在住 77歳

掲載号:2016年3月31日号

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これからは「歩いていく」

 ○…「断腸の思い」と、静かに語りだした。1980年7月に創刊したタウン誌『とうよこ沿線』は東急東横線沿線にスポットを当て、市民の日常の導線に沿った情報を発信し続けてきた。ここ10余年は写真集を販売するほか、情報発信の場をインターネットに移行し運営を続けてきたが、ボランティアとして支えてくれるスタッフの高齢化などもあり、取材・編集などの機動力が低下。日吉に構えてきた編集室を4月中旬に閉鎖させる決断をした。

 ○…群馬県前橋生まれ。大学で経済学を専攻し卒業後は自動車販売のトップセールスマンに。そんなある日、新聞に掲載されていた「中小企業診断士」の文字に目が留まる。これに興味を持ち資格を取得し、県の商工指導センターで商店街の経営診断をしてきた。その後、行政区界で発生する問題について話し合う会の発足に携わったことがきっかけで、これまでと畑違いの分野に足を踏み入れることに。「文才はなかった」と謙遜する一方、第1回NTTタウン誌フェスティバルで大賞を受賞している。

 ○…趣味は特にない――。というよりは、「両親の死に目にも会えなかった」と話すように、取材に広告営業にと飛び回る日々に、そんな暇はなかった。365日・24時間対応にしていた編集室には昼夜問わず読者からの電話が鳴り、自宅寝室の枕元でも電話を取った。「愛犬が車にひかれた」など編集業務とかけ離れた内容まで相談されるほど地域に愛されてきた。これまでを振り返り「体、頭、時間すべてを費やしてきた」と苦笑いし、「これからは歩いていきたい」と話した。

 ○…これまでホームページ内で発信してきた投稿コーナー「暮らし ワイドな窓」を自宅のパソコンで継続していく考えだ。取材対象者などこれまでに出会った人は数えきれないほどだが、駅名ごとに多くの人の顔が頭に浮かぶ。「1日1人に再会したい」。これが今後の目標だ。

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