国土交通大臣に表彰された「花ポケット」の会長を務める 小出 瑛子さん 日吉本町在住 73歳
亡き夫の笑顔のために
○…日吉駅前の花壇の整備や周辺の清掃活動を行っている「花ポケット」。その地道な努力が認められ、国土交通大臣賞を受賞した。活動を始めて7年。季節に合わせた花々で彩り、併せて一向に減らないごみを東急の駅員などと協力して毎日4回拾っている。「常にきれいにという信念を持って毎日活動してきました。賞をもらったことでモチベーションが上がり、皆一層意気込んでいます」
○…花好きになったのは亡き夫の影響。新潟にいた頃、一緒に苗や種を選び育てていた。病気を患い、入退院を繰り返していた夫。最期に自宅に帰ってきた時、驚かせようと庭を花でいっぱいにしたことも。それを見て「お母さん、ありがとうね」といった言葉が今でも忘れられないという。その後娘が住んでいた日吉へ12年前に移住。知り合いがいなかったことから友人を見つけようと、転居後すぐにガーデニング講座に参加した。「主人がやりなさいって背中を押してくれた気がしました。人と仲良くなるのは得意なので、すぐに仲間が増えましたよ」と優しく笑う。
○…港北区が主催する一般宅の庭めぐり「オープンガーデン」の運営にも携わる。初めは数件しかなかった日吉地区の展示数。自転車で駆け回って多くの家に声をかけ、現在の規模にまで広げた。また、日吉台小でも花壇の整備を行っている。手入れ中に、「お疲れ様です。いつもありがとうございます」と子どもたちが声をかけてくれるのだそう。「そうした一瞬一瞬の小さなドラマがあるから、行ってよかったと思えます」
○…今後「花ポケット」の活動としては、ごみが捨てられる原因のベンチを撤去しポイ捨て減少を図る。さらに新たに大きな花壇を設け、花々が楽しめるスペースを広げる方針だ。「本来の活動である、花壇の整備に尽力して行きたい」。これからも人々に、天国の夫に見守られながら一途に続けて行く。
|
<PR>