【Web限定記事】ブラジルでの保育園設立を綴った著書が、県の優良図書に推薦された 鈴木 真由美さん 新吉田町在住 43歳
熱い思い、国境を越えて
○…園の設立から20年の節目に綴った著書。若くして始めた異国での挑戦に「読んだ人にも何かにチャレンジする勇気を与えられれば嬉しい」と目を細める。
○…保育科の学生だった19歳の時、「世界の子どもたちを知りたい」と知人のつてでブラジルで実習を経験。衛生面や設備が整っているとは言えない環境でも元気な子どもの姿に「この国で保育士になりたい」と、日本で2年間の勤務を経て、22歳でサンパウロの園で1年間働いた。翌年、地方の貧しい漁村で園を設立。田舎では幼児教育が未確立で、不安を抱える母親たちの苦悩を目の当たりにし決意したという。「未熟な私に、国内外の人が協力してくれたおかげ」と晴れて12人の1期生を迎え入れた。20年の歳月を経て、今春には卒園生が職員として園に戻ってくる。「園の運営に自信を失った時もあったが、子どもたちの未来の選択肢を増やす手助けができたのではないかな」
○…日吉出身。10歳下の弟の世話が好きで、保育士を志した。中学では吹奏楽部に所属しトランペットを担当。「音楽は保育でも助けになった」と、国内で集めたリコーダーは現地の子どもに大人気という。ブラジル人の夫と、2人の娘との4人家族。以前は一年の大半を南国で過ごしたが、コロナの影響もあり昨春からは母娘は日本へ。「1カ月以上日本で暮らすのは20年ぶり。やっぱり四季があるのはいいですね」と笑顔を見せる。
○…近年は、幼児教育のその先を見据える。「若者が都会に流出すると、地方の活性化にはつながらない」と、行政にも関わり、働き口など若者が活躍できる環境づくりに奮闘。「村に元気を与えられるように、ここからが新たなスタート」と決意を語った。
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