震度6弱以上の大規模地震発生時に編成される医療救護隊の北部参集拠点立ち上げ訓練が7月4日、日吉台中学校コミュニティスクールで行われた。慶應義塾大学日吉キャンパス協生館から5月に移転後、初の訓練。参加者からの意見を集約し、今後の拠点運営に生かしていく。
医療救護隊とは、港北区役所と港北区医師会・港北区歯科医師会・港北区薬剤師会・Yナース(横浜市災害支援ナース)で構成される組織。港北区防災計画に則り、2017年から発災時に設置することが定められている。それまでは、医師・薬剤師等が9カ所の地域防災拠点に参集して、他の地域防災拠点を巡回するとしてきたが、区担当者によれば「9カ所では数も多く、有事の全拠点への参集の困難が予測される」といった背景もあり、市の防災計画の変更に伴い、自らが勤務する診療所等での医療提供を第一優先とすることになった。使い慣れた診療場所・医療資器材等を最大限に生かした災害時の医療提供を目指す。同時に、これが不可能な医療者は、医療救護隊を編成し、区南部・北部各1カ所ずつある参集拠点から、1隊5人程度を基本に各地域防災拠点を巡回し医療活動を行う。
北部参集拠点が移転したのは、災害時用の資器材収納スペースがなく、近隣の地域防災拠点から運ぶ必要があり、より迅速な本部立ち上げを行うのが目的。南部の参集拠点は港北区医師会館(菊名)となっている。
無線での通信も想定
訓練への参加者は22人。災害時に使用する資器材収納場所の確認や指揮系統を決めるなど、活動本部を立ち上げた。また、災害時にインターネットや携帯電話が使えない状況を想定し、無線での通信訓練も行われた。参加者からは施設の開錠や十分な非常用電源に対する不安の声も上がった。区担当者は「意見を集約し、今後の拠点運営に生かしたい」としている。
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