港北区 トップニュース教育
公開日:2022.11.17
横浜市人権作文
区内から3人が受賞
最優秀に新羽中の2人
第41回全国中学生人権作文コンテスト横浜市大会の結果が10月に発表され、区内の中学生3人が入賞を果たした。
同コンテストは、中学生が人権問題に関する作文を書くことを通じて、その重要性や必要性について理解を深め、豊かな人権感覚を身につけることを目的に行われているもの。今回は市内129校から5万2729編が集まり、最優秀賞に12編、優秀賞に13編が選出された。
障害、性への理解を
最優秀賞の「横浜市長賞」を受賞したのは、新羽中学校2年・増田春之介さんだ。作文の題名は『ぼくはスカートを履いている』。小学生の頃からスカートを履いたり、髪の毛を伸ばしたりしていたという増田さん。自身の訴えがきっかけで、服装に関する校則から「女子・男子」の文字が消え、スカートやズボンも自由になったとことなど、実体験を綴った。増田さんは発達障害もあるが、それも周囲に対してはオープンにしてきた。最初は不安もあったというが、教員や友人たちは理解を示し受け入れてくれたという。「本当の自分を隠すことなく、正直に話しやすい環境がもっと広まってほしい」
受賞の一報を受けた時は「10mくらい飛び跳ねて喜んだ」と語る増田さん。「常に同じ境遇の人たちの代弁者になりたいと思っていた。自分の姿を見て勇気を届けたい」と思いを口にした。
日吉台中からは優秀賞誹謗中傷に警笛
同じ新羽中学校の菅野夏帆さん(3年)も、最優秀賞の「横浜市教育長賞」を受賞した。『悲しい歴史を終わらせる』というタイトルで、情報リテラシーについてまとめた。きっかけは、祖母から聞いたハンセン病に関するエピソード。自身でも詳しく調べるなかで、感染力やその脅威について誤った情報が広まり、その結果、患者やその家族が偏見や差別に苦しんだという事実を知った。今も差別が残っていることも知り、「人から聞いた話を鵜呑みにしたり、事実かどうか知ろうとせず他人に広めたりすることは危険」と現代社会にも通じる問題に警鐘を鳴らした。
「まさか自分が」と受賞には驚きも、「早く祖母にも作文を見せたい」と笑顔を見せた菅野さん。「デマや噂話の危険は、私たちにとっても身近な問題。誰かを悲しませないよう、正しい理解が広まれば」と話した。
難聴者を理解する
日吉台中学校の栗屋薫さん(2年)は、優秀賞を受賞した。タイトルは『理解するということ』。聾(ろう)者に対する思いをまとめた昨年に続き、聴覚障害をテーマにした。
聾の世界を知るきっかけとなったのは、難聴の母親。日頃の様子を注意深く観察すると、母が自分の口元や言動をよく見ていたと分かった。また、聾者の五輪を意味するデフリンピックがある一方、五輪・パラに参加しないことへの疑問など、難聴者の身近で暮しているからこそ感じた自身の考えをまとめた。
誰が読んでも理解できるように工夫したという栗屋さん。「受賞した時は実感が湧かなかった。受賞のことは恥ずかしくて家族に作文の内容を伝えていない」とはにかんだ。普段は「口パクで母親と会話している」というが、「これから手話を習得して自分自身を成長させたい」と語った。
最優秀賞受賞者には、11月23日に横浜市役所で行われる表彰式で賞状が授与され、受賞者による朗読会も行われる。また、神奈川県大会の優秀賞候補としても推薦され、同大会で最優秀賞に選出された作品は、中央大会に推薦される。
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