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港北区 社会

公開日:2025.07.22

青葉区
”誰かの為に”が活力
彩色水墨画を描いて35年 福井悠子さん

  • 歌会の儀を描いた『冷泉家(れいぜいけ)「乞巧奠(きっこうてん)」』と福井さん

 青葉区黒須田在住の福井悠子さん(86)の彩色水墨画が、東京都美術館(台東区上野公園内)で開かれる「國際書画芸術展」に7月27日(日)から8月3日(日)まで展示される。力強い筆致と繊細な色使いで、今年は花びらが舞う枝垂桜とその下を悠々と泳ぐ鯉を描いた。今なお現役で作品を生み出し続ける活力の秘訣を聞くと、「打ち込めるものがあること」とほほ笑みながら話す。

 福井さんは子育ても一段落した51歳から彩色水墨画を習い始めると、めきめきと上達。国立新美術館で開かれる「國際書画展」に毎年出展し、特選、入選など数多くの賞を受賞している。國際書画芸術展には、一昨年初めて出展した。

 当初、今年は作品を出す気はなかったという福井さん。「でも水墨画の先生に『それじゃ来年ね』と言われると、次は無いかもしれないと急に気合が入ってしまって」。通常なら下絵も含め1カ月ほどかけるところ、一晩で作品を仕上げてしまった。夫の久さんは「ここぞという時の集中力にはいつも驚かされる」と振り返る。

次男との約束

 30年ほど前、次男が体調を崩し入院。当時家に籠りがちだった福井さんは次男から「家から出て、何か人の役に立つことを」と励まされた。次男は急逝してしまったが、「息子の分まで人の役に立ちたい」という思いは日増しに強くなっていった。

 その後は消費生活推進員、家庭防災委員、民生委員などを務めて地域福祉に尽力。現在も認知症サポーター養成講座の講師「キャラバン・メイト」として活動する。「皆さんと関われるようになったのも息子のおかげ。水墨画や家事、ぜんぶ楽しみながらやっていきたい」

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