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港北区 人物風土記

公開日:2026.09.24

日吉本町にシェア型書店「本と吉日」をオープンした 日丸 邦彦さん 箕輪町在住 58歳

  • 日丸 邦彦さん (写真1)

日常に小さな「吉日」を

 ○…「本を介して人と人が出会い、ゆるやかにつながる場所にしたい」。かつてガレージだった細長い空間を改装し、棚ごとにオーナーが本を持ち寄るシェア型書店「本と吉日」を開いた。店名には「きょう一日をより良く送れた、と感じてもらえたら」という願いを込める。オープン直後から地域の住民や学生、クリエイターらがふらりと立ち寄り、思い思いの言葉を交わす温かな光景が広がっている。

 ○…生まれも育ちも箕輪町。大学卒業後は出版社に入社し、編集や販売、宣伝など本にまつわる現場を経験した。その後、育児用品メーカーへ。広報活動や、組織づくりなどに30代から奔走してきた。2年前、早期退職を機に自らのキャリアを改めて見つめ直すことに。「人生の後半、これまで培ったものを生かして、自分が生まれ育った地元に何かを残せないか」。その模索のなかで出合ったのが、シェア型書店の文化だった。

 ○…「動的平衡」という言葉が好きだ。「人も街も、常に流れて循環しながらバランスを保っている。固定化せず、色んな人が混ざり合う場が面白い」。地元・日吉のマルシェで絵本を販売しながら地域の人と対話を重ね、クラウドファンディングで共感の輪を広げて念願の開業に漕ぎ着けた。現在はキャリアコンサルタントとして学生の就活支援にも携わり、「小さな商いを複合して、長く生き生きと働き続けたい」と朗らかに笑う。

 ○…「街の個人店や商店街の温かさに支えられている」と地元への感謝は尽きない。慶應義塾大学の研究室や学生との連携も構想中で、目指すのは街に開かれた文化の発信拠点。「本棚の向こうにいる人の体温を感じに、気軽に扉を開けてもらえたら」

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