港北区 人物風土記
公開日:2026.10.29
米軍機の遺品を遺族へ届ける活動を続け、平和の尊さを訴える 新井 勲さん 新吉田東在住 92歳
戦史追い日米の懸け橋に
○…菊名コミュニティハウスで11月8日に開催される「戦争体験を語る会」の講師として登壇する。題材は終戦直前の鶴見川への米軍機墜落事故。自らが収集した写真やスライドを交え、機体の落下地点や米兵の足取りなど長年の調査成果を発表する。風化する戦禍の記録を自らの手で掘り起こし、「悲惨な歴史的事実を一人でも多くの人に知ってほしい」と強い思いを込める。
○…定年後から30年以上にわたり、米軍機の墜落現場や乗組員の身元調査に心血を注いできた。現地での丁寧な聞き込みや膨大な資料解読を重ね、判明した兵士の遺族は150人を超える。遺品をアメリカの遺族へ直接届け、日米合同の慰霊祭も実現させてきた。活動の軌跡は絵本冊子にもまとめられ、「喜んでくれる遺族の姿が何よりの励みになる」と温かい表情で振り返る。
○…東京で生まれ育ち、小学生の時に祖母がいた静岡へ疎開。10歳で大空襲の激しい炎の中を逃げ惑う惨状を体験した。戦後は再疎開先の栃木を経て高校卒業後に上京。横浜でトラックの販売営業に打ち込み、三菱のトラック営業で約60年間にわたり商売を支え抜いた。「頑張りが認められ、良い思いもできた。何事も誠実にコツコツと向き合う姿勢が自分の人生の原点」と語り、今も胸に熱い情熱を絶やさず抱き続けている。
○…92歳を迎えた現在も飽くなき探究心は衰えず、収集した膨大な資料や最新技術も活用しながら歴史の真実を追い続ける。国境を超えて人々の心をつなぎ、戦争の記憶と平和の尊さを次世代へ語り継ぐ決意だ。モットーの「諦めずに探し続ければ必ず道は拓ける」という言葉を胸に深く刻み、途絶えることのない使命感を携えてこれからも歩みを進めていく。
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