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公開日:2026.11.05
新綱島MICCA(ミッカ)誕生 記憶つなぐ交流拠点へ
東急新横浜線新綱島駅前に10月28日、幕末期に建てられた古民家を再生した複合商業施設「新綱島MICCA」がオープンした。地域の歴史や文化を継承し、人々が集う新たな交流拠点として街の活性化を目指す。
敷地の中核を成すのは、江戸幕末の安政4年(1857年)に建てられた旧南綱島村名主・池谷家の住宅主屋「OMOYA(オモヤ)」だ。敷地周辺では2023年の新駅開業以降、約100メートルの高層ビルが並ぶ駅前開発が急速に進む。同事業では、開発地と昔ながらの住宅街との間に木造低層の施設を配置し、境界に断絶を生ませない景観と「8の字動線」を形成した。
約170年間にわたり個人住宅だった「OMOYA」の改修は、建物を約1メートル持ち上げて基礎を新設する揚屋(あげや)工事を実施し、耐震性や断熱性を確保した。さらに横浜市「特定景観形成歴史的建造物」の民間初となる指定を受け、建築基準法の適用除外を活用することで、貴重な木造架構を残しながら飲食店舗への用途変更を実現させた。施工では宮大工の集団が約18カ月をかけ、歴史的な部材を丁寧に残しながら補強を施している。
歴史と環境配慮を両立
新築された2棟の木造棟「HANARE(ハナレ)南」「HANARE北」は、軒下空間や木の柱を活かした温もりある佇まいが特徴だ。かつて古民家で使われていた建具をサインに再利用するなど随所に記憶を継承している。
敷地内には、かつて温泉街として賑わった歴史を物語るラジウム霊泉の井戸跡や高架水槽も保存された。開業に先立ち10月26日に開かれた報道関係者向け内覧会で、設計を担当した再生建築研究所の神本豊秋代表取締役は「住宅から商業への用途変更にあたり、排煙設備や避難経路など横浜市と連携して新たなルール作りに踏み込んだ。全国的な再生事業の模範事例になる」と説明。住友林業の担当者は「木造化により同規模の鉄骨造と比べ製造過程などの二酸化炭素排出量を約34%削減できた」と話した。
地権者の池谷道義さんは「新駅周辺はまだ通過点になりがち。元々何もなかった砂漠に水をまいて緑を増やし、人を集めることが最終的な目的。地域の居場所になってほしい」と期待を寄せている。
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