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公開日:2026.01.01

山中竹春横浜市長
万博への期待感示す
新年の抱負と課題 語る

  • 市政について語る山中市長

  • 今年の抱負を語る山中市長

 本紙では年頭にあたり、山中竹春横浜市長に2026年の市政の抱負や課題について聞いた。山中市長は開催が近づく万博への期待感や現在策定が進む中期計画の方向性、具体的な災害対策など、「市民の実感」を大切にした運営を行う考えを示した。(本紙/添田守男・木曽祐司)

 ――GREEN×EXPO 2027の開催まで1年近くとなりました。市民の期待も高まってきています。

 「GREEN×EXPO 2027は、圧倒的な花や緑を楽しめるだけでなく、『環境との共生』をテーマとする国際博覧会です。期間中はそれを実際に体感していただけるようにしたい。具体的な会場イメージも発表され、参加表明した60カ国以上の国・国際機関と、そして400件近い出展者の皆様と共に、魅力ある会場づくりを進めています。EXPOを共に盛り上げ支えていただくパートナーとして1万人を超えるボランティアの募集も始まっています」

 ――どのような万博にしていきますか。

 「お子さんから大人の方まで、すべての世代の方がワクワクできる万博となるよう、ホストシティとして全力で準備を進めます。テーマとする『環境』や『循環型社会』の大切さをお伝えしたい。例えば、皆様お持ちの不要衣類を回収・繊維化し、再生加工してボランティアさんのユニフォームにします。私たちが『服to服』と呼ぶ、こうした『捨てずに生かす』ことを提案できる場になるチャレンジもしたいですね。

 このEXPOを通じて人々の環境への意識や行動が変わるレガシーを、市民や企業の皆様と共に創り出していきたいと思います」

 ――EXPO終了後の跡地利用の展望にも関心が集まっています。

 「跡地には、本市初の広域防災拠点となる公園や、観光・にぎわいの拠点、次世代型物流施設などを整備します。上瀬谷エリアを中心とした『郊外部』を新たな成長拠点とするためのまちづくりを進め、将来の横浜全体の発展につなげます」

市民の実感に寄り添う 避難所機能を強化

 ――大規模地震や集中豪雨など、防災・減災対策の重要性は近年、さらに高まっています。

 「いつ起こるとも分からない大規模地震や、気候変動に伴い頻発化・激甚化する気候災害から市民生活を守るためには、事前の備えが何より重要です。備蓄品の確保などの『自助』、地域の防災活動などの『共助』、それらを支える『公助』の取組みを一体的に進めるため、横浜市では新たな地震防災戦略を推進しています」

 ――具体的取組みは。

 「市民の皆様の避難所の充実化へのご要望の声を受け、全ての避難所で発災直後から水が飲めるよう、耐震性の高い給水栓を27年度までに整備します。同時に避難所となる小中学校体育館へのエアコン設置やトイレの洋式化をトップスピードで、29年度までに完了させる予定です。食料品などの備蓄も大幅に充実させます。

 さらに、道路ネットワークの整備、インフラ施設の耐震化や下水道による浸水対策など、災害に強い都市インフラの形成も加速させています」

「特別市」の利点は

 ――横浜市が目指す「特別市」は市民にどのようなメリットがありますか。

 「特別市になると、市と県の二重行政によるムダが解消されます。『窓口の一本化など市民の皆様の利便性の向上』や『地域の実情を踏まえた課題解決』などができるようになり、行政サービスの向上を図ることができます」

 ――法制化に向けた今後の進め方は。

 「市民の皆様に特別市を選択いただくためには、まずは特別市の法制化が必要です。国においても、副首都構想や特別市制度などの議論が行われており、地方自治のあり方や大都市の役割について議論の機運が高まっています。横浜市を含む20政令市の市長が連携し、国会での議論が活発に行われるよう、働きかけを強化します。

 法制化の実現に向けては、市民の皆様のご理解が不可欠。引き続き、特別市についてわかりやすくお伝えするなど、機運醸成に努めていきます」

地域交通充実化へ

 ――地域交通の充実化への展望は。

 「敬老パスの本来の目的は高齢者の皆様の外出支援。多くの皆様に使っていただける制度を検討する中で、市内には公共交通の空白地が点在しており、敬老パスの利用回数に地域による偏りがあることが分かりました。

 25年度からは公共交通の空白地を解消するために、地域交通の充実を図るとともに、敬老パスを地域交通でも利用できるようにしました。また、75歳以上で免許証を自主返納した方を対象に、敬老パスを3年間無料で交付するサービスも開始しています。引き続き、高齢者の皆様にとって利用しやすい制度となるよう検討を進めていきます」

中期計画の方向性

 ――4年間の政策の方向性を示す新たな中期計画(26〜29年度)の策定が進められています。

 「市民の実感を評価の軸とし、皆様の『安心・安全』と横浜の持続的な『成長・発展』をさらに力強く前進させていく考えです。

 これからもしっかりと子育て世代を応援していきます。6月から開始する18歳までの医療費無償化や安心して子どもを預けられる環境づくりなど、経済的・時間的ゆとりを持って子育てしていただけるよう、さまざまな取組みを加速させていきます。

 新たな図書館の整備や各区にある図書館のリノベーション、市内に3園ある動物園の魅力向上、屋外の全面禁煙化の検討なども行います。横浜に住みたい、住み続けたいと思っていただけるようなまちづくりに力を入れていきます」

中学校の全員給食

 ――4月からは中学校での全員給食がいよいよ始まります。目指す姿を教えてください。

 「生徒1万人が参加する『メニューコンクール』や横浜の名店とのコラボなど、生徒と共につくる『おいしい給食』を目指しています。また、横浜の生産者の皆様にも関わっていただいており、横浜産の食材を積極的に取り入れ、生徒が地域の魅力を知るきっかけにしたいですね。

 私も給食を食べていますが、クオリティは上がっていると感じています。温かいカレーなどをご飯にかけられる食缶方式も導入されます。安全で、みんなが笑顔になる横浜の中学校給食をお届けしていきます」

成長・発展へ施策

 ――持続的な成長・発展に向けて、横浜のポテンシャルや魅力を高める取組みも注目されます。

 「臨港パークから山下公園、山下ふ頭へとつながる約5キロを『世界に誇れる水際線』に磨き上げるとともに、都心部・臨海部のまちづくりを加速させ、郊外部のまちづくりにも注力します。

 また、資源を捨てずに循環させて新たな価値を生み出す『サーキュラー』を進め、環境・経済の両面から持続可能な『循環型都市』への移行に挑戦していきます」

 ――最後に市民にメッセージを。

 「これまで以上に市民の皆様の実感を大切に政策を実行し、人にやさしく、そして世界を魅了するまちを目指していきたいと思います。

 本年も、皆様にとって素晴らしい年になりますよう、心からお祈り申し上げます」

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