県立瀬谷養護学校が7月3日と11日、瀬谷区役所・瀬谷警察署・瀬谷消防署の協力のもと、洪水被害を想定した初の避難訓練を実施した。同校では訓練の結果を踏まえ、今後、避難マニュアルの充実を図る考え。
境川に面し、瀬谷区洪水ハザードマップで浸水の恐れがある区域内に位置する同校。境川流域はこれまでも台風や集中豪雨による洪水などで、床上・床下浸水などの被害が発生しており、水害への対策が重要な課題となっている。
今回の避難訓練は、昨年、大型台風の影響で岩手県の高齢者施設が洪水の被害に遭い死者が出たケースを教訓に、ルートの確認や避難にかかる時間を把握する目的で行われた。さらに、6月19日に改正された「水防法・土砂災害防止法」において、浸水想定区域内の「要配慮者利用施設」で避難確保計画・避難訓練の実施が義務化されたことも踏まえ、訓練実施に至った。
訓練は高等部と中等部に分かれ、3日と11日に行われた。11日は中学2年生の19人が参加。午前9時50分に同校をスタートし、約600m先の指定避難場所である上瀬谷小学校を目指した。今回は竹村町公園を経由し、ほぼ直進する単純なルート。生徒たちは誘導を受けながら列を崩さないよう移動し、17分ほどかけて小学校のグラウンドに到着した。大きなトラブルなどはなく、安全面でも特に問題はなかったという。
同校は知的障がいのある児童生徒の養護学校として1971年に設置され、小学部から高等部まで、現在約300人が在籍。地震や火災に対する訓練は年に7、8回行っているが、水害対策訓練は今回が初となった。同校で防災対策を担当する塩川政英教諭は「生徒たちも意識してスムーズに移動することができたのでは。校舎は老朽化しており、訓練の必要性を一層感じた」と話した。
引率した石倉隆之副校長は、「生徒たちは指示を受けてすぐに動くことが難しいため、訓練などでシミュレーションすることが大事」とし、継続して訓練を実施していくとした。また、「従来のマニュアルではまず校舎の2階に上がることになっているが、状況に合わせ、早めの判断が必要だと感じた」と話した。今後は防災用雨具を用意するなど、今回の訓練で出た課題を見直し、マニュアルに反映していくとしている。
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