江戸や明治の建物がある長屋門公園で1月24日、「文化財防火デー」に合わせた毎年恒例の消防訓練が行われた。昨年に世界遺産の首里城や白川郷で発生した火災を受けて、延焼を防ぐ「ドレンチャー設備」による自動放水が初めて訓練に取り入れられた。
文化財防火デーは毎年1月26日で、1949年に起きた法隆寺金堂壁画の焼損を契機に定められた。文化財を火災や地震から守るため、26日前後に全国各地の自治体で訓練が展開されている。
ドレンチャーは文化財などの建物を延焼から守る設備。自動放水によって水の膜を張り、飛来する火の粉を消火したり、建物を冷却する。同園では江戸時代中期の建造と推測される、かや葺き屋根の「安西家母屋」の上部に設置されている。
同園の訓練は例年、屋内消火栓や放水銃を使用。今回は昨年10月に首里城の正殿などが焼失し、11月には合掌造り集落がある白川郷でも小屋が全焼する火災があったことなどから、ドレンチャーを用いることになった。瀬谷消防署の提案を受けて使用を決めた同園事務局長の清水志保さんは「訓練には地域の方々も見学に訪れます。防災意識を高めることにつながれば」と話す。
24日の訓練は園内の土手から出火したという想定で、消防署職員や同園ボランティアなど約50人が参加した。ボランティアが屋内消火栓や放水銃で初期消火を試みるとともに、ドレンチャーによる自動放水を実施。また、消防隊による放水も行われた。
清水さんは「消火設備の操作などを改めて確認できました」と訓練を振り返りながら、「火災を起こしてはならないという気持ちを新たにしました」と防火へ気を引き締めていた。
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