横浜市と相鉄バス(株)=本社・西区=、群馬大学=群馬県前橋市=などが協働で進める「路線バス自動運転プロジェクト」の一環として4月9日までの9日間、旭区の左近山団地周辺で試験走行が行われた。今夏、同地区で予定される営業運行による実証実験の準備を目的に実施されたもの。公道での試験走行は相鉄バスとしては初の試み。
「路線バス自動運転プロジェクト」は、モノがインターネット経由で通信する技術(IoT)などを活用し、現状の課題解決や新産業創出を目指す「I・TOP横浜」が進める取り組みのひとつ。
人口減少に伴う運転手不足などの課題に対応するため、市・相鉄バス・群馬大学・同大発自動運転ベンチャー企業の日本モビリティ(株)が協力し2019年から事業を展開。同年9月にはズーラシア正門から里山ガーデン正門入口間(約900m)で、一般利用者乗車のもと国内初となる大型バスの自動運転走行を行っている。
加速や制御はシステムで
左近山団地が実証実験地に選定されたのは、【1】自動運転で使用するシステムを正常に作動させるためのGPS電波を受信しやすい土地であること、【2】車道と歩道が完全に分離されており安全性が高いこと、【3】停留所にバスを停車できるスペース(バスベイ)があり後続車に道を譲るなどの配慮が可能なことが理由。
今回は通常のバスルートである左近山第1バス停から第5バス停までの起伏のある道のり往復約2・7Kmを、左近山団地の住民らが体験乗車し走行。運転席に運転手が着座し異常時には手動で操作するものの、加速・操舵・制御はシステムが行う「レベル2(部分運転自動化)」での運行となった。車両は営業所とテレビ電話を通じて遠隔監視された。
試験走行を終え、左近山連合自治会の林重克会長は「この地域は上り下りやカーブがあるので、いいデータが得られるのでは。実証実験の場所に選ばれ、多くの方に左近山を知っていただけると思うとありがたい」と語った。相鉄バスの担当者は「試験走行の結果をもとに、自動運転システムの調整や公道を走行した際の問題点などを把握し引き続き研究していく。今後もさまざまな実証実験を通じて、限定領域内でシステムがすべての運転を行うレベル4による営業運転を目指す」と話した。
今夏には同地域で営業運行による実証実験が行われる予定。
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