瀬谷区内在住の日向楓選手(15/宮前ドルフィン所属)が、東京2020パラリンピックの水泳競技の日本代表に内定した。5月に開催された「ジャパンパラ水泳競技大会」で、自身が持つ50mバタフライ(運動機能障がいS5)の日本新記録を2度更新したことなどが代表選出につながった。
「抑えきれない喜び」
同大会は5月21日〜23日に横浜国際プールで開催。パラ水泳は障がいの種類や程度によってクラス分けされており、両上肢欠損の日向さんは「運動機能障がいS5」の50mバタフライ・自由形・背泳ぎに出場した。
得意とするバタフライは予選で35秒89をマークして自身の日本記録を更新すると、続く決勝戦では35秒78とさらにタイムを短縮。派遣基準記録(35秒14)にこそ届かなかったものの、日本新記録を連発するという快挙を成し遂げた。また、今大会では自由形と背泳ぎでも日本新記録を打ち立てている。
(一社)日本パラ水泳連盟と(一社)日本知的障害者水泳連盟は24日、日本パラリンピック委員会への推薦選手として、日向選手を含む27人を発表した。日向選手は内定について「夢の舞台に出られると聞いて、嬉しすぎて言葉には言い表せません。抑えきれない喜びが心の底からこみ上げてきました」とコメント。父親の隆士さんは「(日向選手は)大変な練習も楽しみながら取り組んできた。ポジティブな点が良いところ。これまでの努力が報われて嬉しい」と喜んだ。
2年間で躍進
瀬谷小学校と瀬谷中学校の出身で、現在は県立旭高校に通う。小さい頃から体を動かすのが好きだったという。水泳は兄の影響で小学1年生の頃に始め、中学から頭角を現した。
選手としての特徴は、体の柔軟性を活かしたうねりと力強いキックだ。バタフライでは、全身をイルカのようにしならせながら、前へ前へと力強く進んでいく。
19年3月の「ジャパンパラ春季記録会」の50mバタフライ(S5)で43秒42をマークして、初めて日本新記録を達成。そこからわずか2年間でタイムを8秒弱縮め、記録を更新し続けてきた。「コーチやトレーナーによる練習のサポート、先生や家族、友達の応援でここまで速くなれました」と周囲への感謝の気持ちを話す。
19年3月以降は、練習日数も多くし、1回のトレーニングで泳ぐ量も増やしてきたという。さらに、技術面では呼吸する回数を減らすことで、より効率的な泳ぎを追求してきた。
目標はメダル
パラリンピックは現段階で、8月24日から9月5日にかけて開かれる予定になっている。日向選手の正式な出場種目は今後決定されるが、50mバタフライのほか、他の種目に出場する可能性もあるという。
夢舞台での目標は、「メダルの獲得」だ。「本番まではまだ3カ月あります。世界のトップ選手たちと対等に戦えるように、自分の弱点を克服するとともに、強みにさらに磨きをかけられるよう精いっぱい練習をしていきます」と力強く意気込みを語る。また、隆士さんは「パラリンピックは特別な大会ではありますが、気負いせずに楽しんで欲しい。そして、自分のベストパフォーマンスを発揮してもらえれば」と息子にエールを送った。
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