タウンニュース瀬谷区編集室では瀬谷警察署と防犯・交通安全特集を企画するにあたり、村田秀之署長と、東野在住で東京オリンピック競泳200mバタフライで銀メダルを獲得した本多灯(ともる)選手(19歳)の対談インタビューを実施。現在の特殊詐欺の手口や交通事故発生状況、犯罪や事故から身を守る術について語り合った。
カード詐欺盗が最多
-今年の瀬谷警察署管内の特殊詐欺の被害状況を教えてください。
村田署長「1月から11月末までの被害件数は28件で、前年同期比で2件減りました。被害額は約3600万円。前年同時期と比べるとおよそ700万円減っていますが、依然として高い水準です。その一方で、今年は金融機関やコンビニエンスストア店頭での通報によって36件も特殊詐欺を防ぐことができました(前年同期比プラス25件)。特殊詐欺防止に対する機運が高まっているように思えます」
-手口で多いものは。
村田署長「最も多いのはキャッシュカード詐欺盗(11件)。警察官や区役所職員を騙る犯人が『キャッシュカードの交換が必要』などと被害者宅を訪問して、カードをすり替える手口です。最近では本当の警察官や職員であると騙すために、まったく別の人間が複数回電話をかけてくる場合もあります」
-本多選手はこの手口を知っていましたか。
本多選手「オレオレ詐欺など代表的なものは知っていましたが、こんな手口があるとは驚きです。やはり詐欺は許せないですね。なんとか被害数をゼロにしてもらいたい」
犯人が嫌う”録音”
―詐欺を防ぐにはどうすればいいでしょうか。
村田署長「犯人は通話の録音を嫌がります。そのため、常に留守番電話に設定するか、電話に迷惑電話防止機器をつけるといった対策が有効です。本当は電話に出ないのが一番なのですが、なかなか難しいところがあると思います」
本多選手「電話で警察官を名乗られると信じてしまいそうですが、迷惑電話防止機器をつけることで詐欺防止につながりそうですね」
交通事故が増加
-今年の交通事故の状況を教えてください。
村田署長「11月末までの人身事故発生状況は338件で、前年同期比でプラス20件。死者数は1人で前年同期比でマイナス2人となっています」
-事故の傾向は。
村田署長「時間別にみると、午前8時から10時にかけてが50件以上と最多。また、死傷者の約半数は自転車や二輪車を利用しており、交差点などでの右左折時や、追突などが多くなっています」
ちょっとした注意を
―具体的な対策はありますか。
村田署長「やはり、右左折時の丁寧な安全確認です。ちょっと注意をするだけで事故を防ぐことができます」
-本多選手は交通安全で普段気を付けていることはありますか。
本多選手「自転車で練習などに行く時はイヤホンをつけず、自動車や通行人など周囲の音が常に聞こえるようにしています。最近はエンジン音が静かな自動車も多いため、歩きスマホもしません。交通事故は運転者だけでなく、歩行者も周囲に気を付ける意識を持つべきだと感じます」
日頃から意識しよう
―最後に区民へのメッセージをお願いします。
村田署長「瀬谷区は2027年に国際園芸博覧会が開催予定となっており、今後ますます賑やかな街になります。事件や事故が起こらないために必要なのは、地域を見守る皆さんの『目』です。近所の挨拶や、ちょっとした声かけなどのコミュニテイが犯罪抑止、事故防止につながるのです。警察署としても皆さんの力もお借りしながら、地域防犯や交通安全に尽力して参ります」
本多選手「僕らアスリートは一度飲んだペットボトルから目を離したら、それは飲まないようにしています。目を離した隙に薬物を入れられ、ドーピング違反に追いやられる可能性があるからです。そういったことを含めて、日頃から身を守る意識を持つようにしています。詐欺や事故も日頃から意識すれば、防ぐこともできるはず。一緒に気をつけようと伝えながら、行動していきたいですね」
-本日はありがとうございました。
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