瀬谷区 社会
公開日:2022.09.29
瀬谷警察署設立50周年
「安心して暮らせる街を」
インタビュー 第37代署長 濱井正さん
1972年4月1日に発足した瀬谷警察署。当時の管内人口は2万2873世帯、8万2721人だったが、現在では5万7560世帯、12万2199人と増大した。当時は106人だった署員も172人と増えた。タウンニュース瀬谷区編集室では設立50周年を記念して、第37代署長の濱井正さんに犯罪の推移、警察の役割、これからの使命などについてインタビューした。
犯罪件数1/5に
――この50年での犯罪件数の推移などを教えて下さい。
「全国の傾向と同じですが、瀬谷署管内での刑法犯の認知件数は2004年がピークで2870件。その後少しずつ減少して14年には1087件まで減り、15年以降は1000件を下回っています。21年は540件でした。今年8月までは昨年より50件ほど少なく推移しています」
――どのような理由で減少したのでしょうか。
「瀬谷区は、いわゆる歓楽街という場所もなく、多くは閑静な昔ながらの住宅街。昔から大きな事件は少ない地域ですね。ここまで少なくなってきたのは、パトロールの強化などこれまでの瀬谷署を担当してきた署員の努力もあるでしょうが、警察の力だけで治安を守るのは不可能です。そこには関係団体や区民の方々の多大な協力があったからだと考えています」
――どのような刑法犯が多いですか。
「刑法犯の7割が窃盗犯です。今年8月まででは、凶暴犯が5件、粗暴犯が12件、知能犯が19件、風俗犯が6件、その他45件ですが、窃盗犯は218件と最も多いです。なかでも自転車盗が多いですね」
ネット犯罪の増加
――犯罪件数は減少していますが、犯罪内容についてはどのような変化がありますか。
「インターネットを利用した犯罪が多くなっています。便利になった反面、瀬谷署だけでなく警察としてもサイバー犯罪対策には力を入れています。身近なところでも、パソコンや携帯電話、SNSを使った犯罪が多いです。パソコンを見ていたら突然警告音が鳴り、『ウイルスに感染した。修理には数万円かかる』などと言ってお金を騙し取る特殊詐欺もあります。また金銭を要求され、支払い時にコンビニなどで電子マネーの購入を要求されることもあり、インターネットを介在した犯罪は多数あります。ツイッターやインスタグラムなどのSNSで知り合い、犯罪に巻き込まれるケースはニュースでも多く報道されています」
若者狙うSNS
――SNSを利用した犯罪は若い人たちが被害に遭うことが多いように思いますが。
「福祉犯罪にあたりますが、少年少女が『学校に行くのがヤダ』『家に帰りたくない』と言ってSNS上で知り合った会ったこともない見たこともない異性と初めて会い、そのまま付いて行ってしまい被害に遭うことがあります。インターネットやSNSは正規に使えばとても便利なものですが、便利な分、細心の注意が必要です」
先を見通す力
――濱井署長は20代の時、「これからの捜査は外国語が必要になる」と言われ語学を学び、国際捜査部門が長かったそうですね。
「25歳の時に上司に言われましたね。その頃は私の記憶では県内の外国人の検挙数は数百件ほどだった。当時は同じ国の者同士のいざこざが多かったが、その後は経済のグローバル化と合わせて犯罪も国際化していきました」
――今後も犯罪の内容も変わっていくと思いますが、どのように対応していきますか。
「犯罪を予測するのはとても難しいです。その中で警察、警察官に必要なのは『先見の明』です。新しい脅威は経済や生活様式の変化によってもたらされます。新しく便利なものが開発されたら、『便利だけど、犯罪にどう使われるだろう』というような意識が大切になると思います」
区民・団体の力結集
――犯罪を無くし、安全・安心な街づくりのために区民が行うことは。
「警察の活動だけで、区民の皆さんの『防犯』に対する理解がないと安心して暮らすことは不可能です。今現在、夜間に一人歩きできるのは区民の皆さんの協力のおかげです。事故のない、犯罪のない世の中にするために、自治会町内会や各種団体、区民の皆さんに関わっていただいているので、年々、事故・事件が減少しています。これからも、区民の皆さん、各種団体の皆さんのご協力、ご理解が必要です。警察も要望などをしっかり受け、一緒に『安心して暮らせる街』を作っていければと思います」
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